Garis besar topik

    • 北海道大学大学院水産科学研究院 清水 宗敬

      サケ類の多くは、淡水で生まれて一定期間河川で過ごした後に海へ下ります(降海、こうかい)。しかし、種によって降海特性(年齢や期間など)が異なります。また同じ種でも、河川環境により海に下る個体と河川に残る個体に分かれる場合があります。一方、遺伝的な要素も重要です。すなわち、サケ類の降海は遺伝要因と環境要因の相互作用により左右されます。本講義では、サケが海に下るという一見単純そうに見える現象を、さまざまな観点から解説していきます。具体的には、なぜ海に下るのか、どのように淡水から海水に適応するのか、海に下るのはどの程度遺伝的なのか、などの話題を取り扱います。