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    • 上の動画で紹介した方法で外洋(恵山沖)の表層水を採水し、10Lのタンクに均等に入るようにしました。

      そして以下の6つの実験区を設けて、環境DNA検出率向上実験を行いました。


    • 本研究では、外洋の水が河川・沿岸と違って浮遊物などが少なく、水中の環境DNAがフィルターを通過してしまう可能性に着目し、DNAが吸着してフィルターに残るよう人為的に添加物を入れました。

      添加物は、自然界で一般的にみられる、吸水力があると知られている珪藻土、既に環境DNAの検出率向上実験で使われたジルコニアビーズ、そしてガスクロマトグラフィーに使われているモレキュラーシーブを用いました。また、0.22 um pore sizeのフィルターを用意し、0.45 umのフィルターと比較しました。

      全ての実験区は2Lを濾過したフィルター X 5反復で実施しました。


    • 実験は夏と冬に2回実施し、季節により異なる結果となりました。

      夏は珪藻土を添加したExp4、冬はジルコニアビーズを添加したExp5で最も多い種数が検出されました。


    • 夏と冬のデータをあわせて一般化線形モデルで解析した結果、添加物はいずれも種数に有意な影響を及ぼしました。

      一方で、0.22umのフィルターは 0.45umのフィルターに比べて有意な差が認められませんでした。