Garis besar topik

  •  蓋を開けた状態の採水器をワイヤロープに取り付け、目的の深度まで下ろしてから蓋を閉めて採水します(図3)。

    3 ワイヤロープに固定されたニスキン採水器


    • ・採水器のセッティング

       採水器をワイヤロープに取り付ける前に、採水器の蓋を開けた状態にしておきます(図4,5)。また、採水口と空気孔が閉まっていることを確認します。

      ニスキン採水器 直付け方式セッティング

      4 蓋の開放とトリガーへのセット方法

      a)上蓋を開けます。取っ手の内側にテグスを通し、その先端をトリガーピンに固定します。トリガーピンはプッシュロッドの上下の動きに合わせてスライドします。 b)下蓋を開けます。テグス先端のスナップフックを上蓋のテグスにひっかけます。 c)セット完了です。

      ニスキン採水器 蓋の開け方

      5 蓋を開けるときの注意点

       蓋を開ける際に強い衝撃が加わると、採水筒のフチが欠けてしまって採水器の密閉性が損なわれる恐れがあります。ゴム(またはバネ)を伸ばす方向(上蓋であれば上方向)に引っ張ってから倒すようにすれば、衝撃を加えることなく蓋を開けることができます。


    • ・ワイヤロープへの取り付け

       錘を吊り下げて張った状態にしたワイヤロープに、背面に装備された固定具(クランプ)で採水器を取り付けます(図6)。

      ニスキン採水器 ワイヤクランプ

      6 ワイヤロープへの固定方法

       クランプボルトの溝にワイヤロープをはめ込み、蝶ナットを締め付けることで採水器を固定します。上部→下部の順に二か所で固定します。

    • ・蓋の閉鎖

       ワイヤロープに沿わせて落下させた錘が採水器のトリガーに衝突することによって蓋が閉まります。ニスキン採水器のトリガーの仕組みを図7に示します。落下してきた錘によってプッシュロッドが押し下げられると、リリースピンが下方にスライドし、ピンに固定されていたナイロンテグスが外れて蓋が閉まります。トリガーを作動させる錘はメッセンジャーと呼ばれ、ワイヤロープに沿って脱落することなく落下させるための閉鎖機構をもっています(図8)。

      ニスキン採水器 トリガ機構

      7 ニスキン採水器のトリガー機構


      ニスキン採水器 メッセンジャー

      8 メッセンジャー

      a) ワイヤロープへの着脱を行う際の解放状態。 b)ワイヤロープに沿わせて落下させる際の閉鎖状態。

    • ・連装による多層採水

       ワイヤロープに複数本の採水器を任意の間隔で装着(連装)することで一度の観測作業において複数層の海水試料を採取する方法があります(図9)。採水器のトリガーにはメッセンジャーをぶら下げることができるリリースピンがあり、トリガーの作動で採水器の蓋が閉鎖するのと同時に下層に向かってメッセンジャーを放つことが出来ます。そこで、メッセンジャーを装着した採水器を任意の間隔でワイヤロープにとりつければ、船上から「第一走者」となるメッセンジャーを送り出すだけで、リレーのように上層から下層に向けて順に採水器の蓋を閉じることができます。図9の例では、100 m間隔で3つの採水器を配置し、一番上層の採水器を100 m まで沈めてからメッセンジャーを投下すれば、100200300 m の海水をそれぞれ採取できます。

      ニスキン採水器 連装方式

      9 採水器の連装による多層採水

      a) 複数の採水器を任意の間隔でワイヤロープに取り付け、海中に降下させます。 b)それぞれの採水器は蓋を開けた状態にしておき、トリガーからメッセンジャーをぶら下げておきます。 c)上層からメッセンジャーが到達すると採水器の蓋が閉じ、それと同時に下層に向けてメッセンジャーが落下しはじめます。