ワイヤロープに複数本の採水器を任意の間隔で装着(連装)することで一度の観測作業において複数層の海水試料を採取する方法があります(図9)。採水器のトリガーにはメッセンジャーをぶら下げることができるリリースピンがあり、トリガーの作動で採水器の蓋が閉鎖するのと同時に下層に向かってメッセンジャーを放つことが出来ます。そこで、メッセンジャーを装着した採水器を任意の間隔でワイヤロープにとりつければ、船上から「第一走者」となるメッセンジャーを送り出すだけで、リレーのように上層から下層に向けて順に採水器の蓋を閉じることができます。図9の例では、100 m間隔で3つの採水器を配置し、一番上層の採水器を100 m まで沈めてからメッセンジャーを投下すれば、100,200,300 m の海水をそれぞれ採取できます。
図9 採水器の連装による多層採水
a) 複数の採水器を任意の間隔でワイヤロープに取り付け、海中に降下させます。 b)それぞれの採水器は蓋を開けた状態にしておき、トリガーからメッセンジャーをぶら下げておきます。 c)上層からメッセンジャーが到達すると採水器の蓋が閉じ、それと同時に下層に向けてメッセンジャーが落下しはじめます。