CTD観測の作業分担
セクションアウトライン
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CTD採水システムによる観測は①オペレータ②現場作業者③ウインチマン④船橋当直者が連携して作業にあたります(図6)。
図6 CTD観測の作業分担
①オペレータ
船内のオペレーションルームで船上局やデータ収録PC上でのソフトウェアの操作を行います(図7)。観測中はデータが正常に取得されていることをモニタで確認しながら、必要なタイミングでウインチマンへ停止・巻き上げ・繰り出しの指示を出します。また、野帳と呼ばれる記録用紙に観測日時や船位(緯度・経度)、天候などの事項を記録します。予め決めておいた採水深度で水中局を止め、船上局から採水信号を送って採水器の蓋を閉めるのもオペレータの役割です。リアルタイムにデータを監視し、各作業分担者に指示、あるいは情報収集をしなければならないのでこの観測の司令塔となります。
図7 CTDオペレーションの様子
②現場作業者
観測甲板上で水中局の取り回しを行います。水中局の投入前に、採水器の蓋を開けて採水装置の海中投入前準備をします。投入作業と揚収作業の際には、船の動揺によって水中局が振れ回らないよう、ロープなどで振れ止めをとります。水中局を揚収したら、採水器から海水試料を取り分ける作業(配水作業)を行います(図8)。
図8 配水作業の様子
③ウインチマン
ウインチコントロールルームでウインチやクレーンの操作を行います。観測中はオペレータからの指示に応じてウインチの停止・巻き上げ・繰り出し操作を行います。
④船橋当直者
観測中、オペレータ・現場作業者・ウインチマンからの指示に従い、潮流や風、波浪の状況を考慮しながら船舶の観測体制を維持するように操船します。操船には舵角や翼角、スラスタと呼ばれる姿勢制御用プロペラの調整を行います。特に水中局の投入・揚収作業時には船の横揺れが極力小さくなるよう熟練が必要です。