採水
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海水中に溶けている主要な成分は「塩化ナトリウム」であり、これが海水の塩辛さのもとになっています。そのほか、植物プランクトンの成長に必要な「栄養塩」や、窒素、酸素、二酸化炭素といった「気体成分」、様々な起源からの「有機化合物」、あるいはウイルス、細菌、鉱物の微粒子などが溶け、混ざりあって海水を構成しています。海水を採取してその成分を分析し、海域における分布を把握することで、海洋の環境動態や地球環境の変遷を明らかにしようとしています。
海の中のある層から海水を採取するには採水器と呼ばれる器具を用います。採水器は、蓋を開けた状態で目的の深度まで下ろし、その場で蓋を閉めることによって任意層の海水を採取するものです。このほか、ポンプで汲み上げる方法や、バケツですくい上げる方法によって海水が採取されます。ポンプでくみ上げた海水をセンサで計測したり、分析装置に直接導入して測定したりすることによって、海水成分の分布を連続的に把握することができます。
分析項目の多様化や分析精度の向上が進むにつれ、採水器は大型化してきました。分析に必要な海水の量が減ってきた一方で、汚染の影響を抑えるためにより多くの海水を採取することが求められてきたのです。また、わずかな汚染も起こらないよう、採水器の材質や仕組みに改良が施されてきました。