單元大綱

    • 船上にて採取した海水を実験室に持ち帰り分析を行う. 今回は, ターナー蛍光光度計(Model 10-AU, Turner designs)を用いた定量法により定量を行う(Welschmeyer, 1994. 植物プランクトンの色素抽出には有機溶媒であるヂメチルホルムアミド(DMF)を用いる(Suzuki and Ishimaru, 1990.  

      クロロフィル蛍光の原理(動画)

    • 用意するもの

       船で採取した海水、 メスシリンダー、 ろ過機、吸引ポンプ、 真空ゲージ、 ガラス繊維フィルター(GF/F、口径ca. 0.7 µm、 直径25 mm)、 ピンセット、 ザルスタットチューブ、 ガラスチューブ(10 ml)、 ラベル用シール、 DMF、 Turner蛍光光度計、 実験用手袋

    • ろ過の手順

      1. ピンセットを使い、フィルター(ガラス繊維)をろ過器にセットする。
      2. 採水ボトルの海水をそれぞれのろ過器に全て注ぎ入れ、海水を減圧濾過する(0.013 MPa以下)。
      3. ろ過が終わったら、直ちにろ過海水をろ過器の縁に注ぎ、壁面に残っている粒子もろ過する。
      4. ろ過が終わったフィルターを、ピンセットを使って折りたたみ、ろ紙で軽く挟み水分を取り除く。
      5. フィルターをDMF6 mlが入っているザルスタットチューブに入れ、やさしく良く撹拌する(注:DMFは、有害なので皮膚等につけないように必ず手袋をする。手に付いたらすぐに洗い流す)。

      測定の手順

      1. Turner蛍光光度計の電源を入れる(分光装置はランプ光源を安定させるために、 試料測定30分から1時間前までに必ず立ち上げる。上記のろ過作業の前に電源を入れておくと良い)。
      2. Turner蛍光光度計にてセカンダリーソリッドスタンダードのHighレンジとLowレンジの蛍光値を測定し、装置のコンディションを確認する(これは最初の班のみ行う)。問題なければ次に進む。
      3. ザルスタットチューブ内の溶液をガラスチューブへと移し変える。
      4. ブランクとして、DMFのみをガラスチューブに入れ、ターナー蛍光光度計にそのガラスチューブをいれ蛍光値を読み取る(BLANK)(これも最初の班のみ)。
      5. ガラスチューブをターナー蛍光光度計に入れ、 その時の蛍光値を読み取る(F)。

    • 計算方法

      クロロフィルa濃度(mg/m3

      Chlorophyll a (mg/m3) = 0.164 × (F – BLANK) × v ÷ V                                                   (1)

        0.164: 既知のクロロフィルa濃度とその時の蛍光値との間の傾き(いくつかの希釈系列を作って求める.。それぞれの装置この値は少し違うので注意。ここでは2020年3月に行なった校正値を用いる)。

        v: クロロフィルa抽出に用いた有機溶媒量(6 ml
        V:
      濾過した水の量(138.5 ml