章节大纲

    • 海洋化学教科書(PDF)ダウンロード:https://repun-app.fish.hokudai.ac.jp/mod/folder/view.php?id=27034

    • 表層海流
      次ページに、気象庁HPにある「海洋表層の循環の模式図」を示す。北半球は亜寒帯循環と亜熱帯循環、南半球では亜熱帯循環と南極還流(亜寒帯)、熱帯域の熱帯循環に分けられる。これらは、主に風の作用で水循環が特徴づけられている。これを風成循環という。本書では、太平洋の亜熱帯循環と亜寒帯循環について詳しく説明する。これに先立ち、風成循環を特徴づける物理的な背景を説明する(長々と26~36ページに及ぶ)。まずは、下の図から、北半球の亜熱帯循環は時計回りであること、亜寒帯循環は反時計回りであることを読み取ってもらいたい。そのようになる理由(エクマン輸送による収束と発散、海面上昇・降下による地衡流の形成)から説明する。

      海洋の循環の模式図(気象庁HPより)

    • 補足(エクマン輸送)
      地球は自転しているので、地球上の物体が移動すると、移動方向に対して右向きにコリオリ力が作用、右向きに変えられる。海面上を一定方向に風が吹くと、表面の水は風の方向に流されるが、コリオリ力が作用して右方向に傾く。その直下の水も、上層の流れに引きづられつつ、コリオリ力が作用してさらに右に傾く。深くなるにつれて、流れが右方向、右方向に傾いてゆく。その結果、下層の流れの方向が螺旋状に変化して見えるため、この様子をエクマン螺旋という。エクマン螺旋が見られる層内(約0-100 m)で水の平均的な流れをみると、風の進行方向に対して90°右側に輸送される。これをエクマン輸送という。



      エクマン螺旋のイラスト(NOAA, National Ocean Service, https://oceanservice.noaa.gov/education/tutorial_currents/media/supp_cur04e.html)