この胞胚期の胚盤の細胞の分化の方向性を決めるのは、卵黄側からの誘導シグナルです。卵黄といっても、受精卵が分裂する過程で、卵黄側にも核が入り込んでいますので、卵黄細胞と呼ばれます。後期胞胚期の胚盤を卵黄細胞から切り離し、180°水平に回転してもう一度卵黄細胞に再結合すると、この胚からは2つの体を持った個体が多く生まれて来ます。これは、切り離す前に体を作るようになった細胞群と、切り離して結合させた後に体を作るようになった細胞群の両方から体ができるからです。(図3.キンギョの後期胞胚の胚盤を切り離して180°回転させて再結合した胚から生じた2軸の個体.)