章节大纲

  • 先と同じデータを使って、濃度定量の作業に慣れてもらいたい。

    • 【検量線の練習問題(1)】


      演習作業1)標準試料①~⑧のデータ(濃度値と信号強度)を選んで、散布図を作り、その回帰曲線(直線)を作る。これら全部のプロットで回帰式を作ると、高濃度範囲で信号強度が頭打ちになることを確認しよう。次の作業では、信号強度が頭打ちになってしまっている⑦と⑧のデータを除外して、同様にプロットしてもらう。

       



      ① エクセルでデータ範囲を選ぶ。赤枠で左列がX軸、右列がY軸になる。

      ②「挿入」

      ③「おすすめグラフ」で「散布図」の基本形を選ぶ。

      演習作業2-1)高濃度範囲で直線から外れてしまうプロットを除外してプロット、回帰直線を描く。回帰直線の回帰式の係数や切片の数値の有効桁数を3桁以上となるように、エクセルファイルで書式設定をする(※)。

      (エクセルのデフォルト設定では、小数点以下の桁数が0桁であり、仮に有効桁数が1桁だけの数値を回帰式で使ってしまうと、計算結果に大きな誤差を生んでしまう。例えば、回帰式「y = 6x + 5」の傾き6は、「5.56.4」の範囲にある数字が四捨五入されているので、これだけの誤差を生んでしまう)


      ※ 回帰式の係数の有効桁数の調整方法(エクセルの操作方法の説明)


      ① 図中の回帰式のテキストボックスを右クリック

      ②「近似曲線ラベルの書式設定」を選び、

      ③「表示形式」で「数値」を選び、

      ④ 回帰式の係数や切片の数値が、有効数字3桁以上表示されるように、「小数点以下の桁数」を調整する。(わからなければ、多めに8でも入力しておけばよい) また、「負の数の表示形式」を「-1234」を選ぶ。


      作業2-2)
       低濃度範囲を拡大して表示。低濃度範囲が、回帰直線上に乗る
      か、乗らないかを確認する。



      ① 軸の数値をダブルクリックして、「軸の書式設定」を表示、「軸オプション」で軸の最小値と最大値を調整する。

       

      作業3)低濃度範囲のプロットが回帰直線上に乗るように、低濃度範囲だけを選んで図を作る。どの範囲を選べばよいか、何通りか試してみる。ただし、少なくとも、標準試料のデータ数は3つ以上とする(4つ以上が理想)。

       

      作業4)標準試料の信号強度を使って、回帰式から濃度を計算する。標準試料の調整濃度(真値)と、回帰式から求めた計算値が同じくらいか、大きくずれているかを確認する。回帰式から濃度を求めるのにふさわしいところを、太文字にする。



      上の表では、高濃度範囲を含む回帰式は、①~⑥のデータをプロットして作った。低濃度範囲の回帰式は、①~④のデータをプロットして作った。標準試料の実際の濃度(調整濃度)と、回帰式に信号強度を代入して求めた濃度が、同じくらいであることを確認しよう。仮に、実際の濃度と求めた濃度が大きく違う場合は、何か問題があるので、対処が必要である。