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検量線法(強度法)はじめに
濃度測定-検量線-
分析装置に環境試料を投入して、自動で測定が終了し濃度値が出力される、なんてお手軽な装置はあまりありません。もしくは、そんな装置は信頼性があまり無いです※。では、どのように、測定結果を濃度に換算するのでしょうか。最も一般的なのが検量線作成による強度法です。
※ 装置の性能が時間的にほとんど変わらなければ、予め検量線を作成しておいて、それを装置に記憶させておきます。そうすれば、信号強度から濃度値を自動で出力することもできます。
強度法
濃度が既知である標準試料を数種類用意して(下図を参照)、それらを測定し信号強度を得ます。標準試料の濃度を縦軸、信号強度を横軸にプロットした検量線を作成します。そして、未知試料を測定した際に得られる信号強度を、検量線の回帰式に代入して濃度に換算する方法が ” 強度法 ” です。(計算のやり方、練習問題は次のコースで扱います)
上の絵のように、濃度が分かっている標準試料を複数種類つくります。それらを分析して、信号強度(分析結果)を得ます。濃度値として分析結果が得られるわけではありません。分析装置が検出した”信号強度”として得られるのです。下の例では、イオンクロマトグラフィーにて、硝酸イオン(NO3-)の信号強度をクロマトグラムの ”ピーク高さ” として得た結果を、横軸が信号強度、縦軸が濃度としてプロットしました。標準試料測定の結果をプロットして、回帰曲線(直線)を薄ピンクの太線で表しました。これが、検量線です。
次に、未知試料を分析して、得られた信号強度を検量線のグラフ当てはめます。そのときの縦軸の値が、未知試料の濃度(算出値)になります。
このように、標準試料を測定して検量線を描き、未知試料の信号強度を検量線にあてはめて濃度を算出する方法を「検量線法」とか「強度法」といいます。