章节大纲

    •  それでは、褐藻類によるブルーカーボンは可能性が小さいのか? 私も、海の可能性、ブルーカーボンに期待したい一人です。大型藻類にブルーカーボンを期待するならば、表層で栄養成分(窒素やリン)を減らすことなく、炭素だけが深海へ隔離されるメカニズムが働いていなければなりません。コンブが海底面に横たわって繁茂していることはご存じでしょうか?海中のマコンブのLASBOS動画です。この動画を見ながら、ブルーカーボンに思いを巡らせてください。



       マコンブが海中を沈む理由は、コンブの乾燥重量の30%近くを、海水より重たいアルギン酸が占めているからと考えられます。アルギン酸は、酸性多糖類の一種で、炭水化物(炭素、酸素、水素で構成される物質)です。このように、窒素やリンを含まない、炭素リッチなアルギン酸だけが海中を沈んでくれれば、ブルーカーボンが成立すると期待されます。この一連のことを明らかにするには、大型藻類由来の有機物の移動について、炭素/窒素/リンの循環を把握しながら、アルギン酸が深海へ隔離されるプロセスを調べる必要があります(絵7)。C/N/Pの循環を把握することは、周辺の海洋基礎生産への影響を把握することを意味します。絵7では、栄養塩の吸収を巡って、褐藻類と植物プランクトンが競合関係にあることを表しています。


      絵7 大型藻類(マコンブなど)ブルーカーボンを明らかにするのに必要なこと(C, N, P循環を押さえて、アルギン酸の行方を追う)