CTDによる水温・塩分観測断面【担当 阿部】

下図は,自動水温・塩分・深度測定器(CTD)による太平洋沖の南北測線における水温の鉛直断面図(左)と,津軽海峡を横断する南北測線での同断面図(右)を表します.

左図において,南方海域では暖かい水が観測され,北方では冷たい水が見られますが,これらは黒潮および親潮系の水を反映しています.

右図の津軽海峡でも同様の水温コントラストが見られますが,南の暖かい水は黒潮を源流に持つ津軽暖流の水を反映しています.


海水サンプリング

この実習では中層・深層の海水を採水・分析します.円筒型のフレームに10本以上の採水ボトルやCTDを取り付け,ワイヤーで接続したものを,ウィンチと呼ばれる機械で海に投入し,水中で降下させます.目標深度に到達後,採水ボトルの蓋を閉じることで水を確保し,ワイヤーを巻き上げ回収します.採水した海水は,溶存酸素,クロロフィル,栄養塩の測定,CTDデータの検証に用いられます.

CTDによる海水サンプル採水とCTDによる塩分・水温・深度自動測定(水産学部広報誌aQuaから転載)

栄養塩分析(水産学部広報誌aQuaから転載)


成果発表会

実習で取得された海水サンプルは,学生全員で手分けして分析,データ化します.共有データを班に持ち帰り,班ごとに設定したテーマに沿ってデータの解析・解釈をします.昨年の発表会では,黒潮・親潮の違いに着目した水塊分析,東北沖で見られた高濃度クロロフィル水,漂流ごみの水平分布といったテーマがあがりました.

発表会の様子



最終更新日時: 2020年 09月 18日(金曜日) 14:11