実施した内容

CREEN人材育成プログラムのスポット参加として、12月7日にマルナマ古清商店のサーモン養殖の生け簀と加工場、冷蔵庫を見学させていただきました。当日の朝に函館に到着し、真っ白な景色に見とれている間もなくそのまま入舟漁港に向かいました。午前中は生け簀の見学と説明を受け、午後からは加工場や冷蔵庫の見学と午前よりも詳しい養殖の話を聞きました。最後にはチリ産サーモンとの食べ比べをさせていただいた後、ディスカッションを行いました。ディスカッションでは修士の方々の質問を中心に様々な視点からの話を聞くことができ、大変有意義な時間でした。


学びや発見があった部分

私がマルナマ古清商店の松川さんのお話の中で印象に残ったのは、研修が始まってすぐの生け簀へ向かう前の説明での「伝えられる人に売る」という言葉でした。養殖についての知識や船舶の免許などを全く持たずに養殖をすることになってから数年ということでしたが、説明や見学の中で飼育から加工までの細かいこだわりがたくさん見えてきました。
餌は毎日100グラム単位で変えていて、浮くものが使われており、食いつきを確認できることに加えて、水面まで泳がなければ食べられないために運動へつながっていたり、出荷前には餌臭さをなくすために餌をやらなかったりと、餌だけでも細かいところまでこだわっていることが分かりました。また、マルナマ古清商店の強みも生かされていました。函館サーモンは手さばきで、内臓や血合いも丁寧にとり、皮とりやポリム(骨抜き)まで行われます。そして鮮度を守るため、-30~-40度のトンネルフリーザーを40分ほど通して凍らせ、真空包装して箱詰めされます。加工までできる環境を持ち、加工にもこだわることができているのは本当に強いなと思いました。他にも、昔から函館で商いをやっている信頼があるからこそ養殖をすることができているとおっしゃっていて、地域との結びつきの大切さも感じられました。お話の中でも漁港の現状やこれからの漁港についても考えられていて、地域を大切に思う姿勢が伝わってきました。
これまでのたくさんのこだわりや地域とのつながりを知ると、伝えられる人に売りたいという気持ちが分かるような気がしました。


これまでの授業や体験と何が異なるかの省察

今回の研修では初めて冬の作業の大変さを体感しました。以前参加させていただいたコンブの収穫の研修では太陽に照らされながらの作業で、とても暑く、ものすごく大変でした。しかし私は冬の北海道が初めてで、長崎からそれなりに覚悟をして来たつもりでしたが、生け簀の上で吹雪になった時には痛いと思うほど寒かったです。この体験は長崎ではなかなか感じられないので、実際に冬の函館に行って身をもって感じられて良かったです。寒い時期が多い11月から5月中旬までの養殖で、毎日の作業が大変だということが想像できました。

自分自身が変化した部分

今回の研修ではディスカッションもあり、講師の方の話はもちろんですが、他の学生からも多くの刺激を受けました。私はまだ知識不足であり、研究も行っていません。詳しく質問をする先輩方を見ると自分もそんな風になれるのかと不安になりますが、0から養殖を始めて毎日大変だが、楽しいと話す松川さんの姿を見て、これからいろいろなものに触れて学び、熱中できるものに出会いたいなと思いました。

最後に、このような貴重な機会をいただきありがとうございました。


最後修改: 2024年 12月 25日(週三) 10:55