この度、共創の場×CREEN人材育成カリキュラムのプログラムの一環として、水産科学未来人材育成館オープンセレモニー及び地域水産業共創センターイベントに参加した。9月29日の午前中に開催されたオープンセレモニーでは水産科学未来人材育成館の完成に際した建物の説明を受け、最後に完成を祝したテープカットが行われた。続いて同日午後に開催された地域水産業共創センターイベントでは函館市内の大学生及び高等専門学校の生徒による函館市の地域創生活動について説明を受けた。今回の研修では完成した水産科学未来人材育成館の役割や函館の学生たちが取り組んでいる地域創生活動について学び、水産業だけでなく地域社会全体に対して我々学生が取り組める事や意識すべきことについて考察することを目標とした。

実習内容

1. 水産科学未来人材育成館オープンセレモニー

水産科学未来人材育成館は老朽化した図書館と水産科学館のそれぞれの機能を併せて持ち、加えて学生や地域社会等が交流する場としての役割も果たす。古きより多くの学びや研究結果を生み出している北海道大学の今までのデータを閲覧することができ、それらを用いて様々な人々と交流ができることで今まで以上にクリエイティブなアイデア等が生み出される可能性が高まったのだろうと私は感じた。



2. 地域水産業共創センターイベント

本イベントでは函館市の大学生及び高等専門学校の学生たちによる函館市での地域創生活動についての紹介がなされた。函館市の人口は2000年から現在までのわずか25年ほどで約16%減少しており、且つ労働人口は約35%減少している。これら函館の人口減少は若年層の地方への関心の希薄化が起因しており、このままでは若者離れによる人口減少は加速の一途を辿ることは想像に容易い。地方からの若者離れの原因は地元企業の賃金や魅力度の低下が大きく関係しており、多くの若年層はより賃金が高く、仕事内容も多種多様で魅力的な都心部に集中する傾向にある。しかしながら、函館市は豊かな自然と古くから外交の街として栄えた歴史があり、魅力に対するポテンシャルは非常に高い。地域水産業共創センターイベントにてお聞かせいただいた函館の学生たちの地域創生活動は函館のポテンシャルをうまく活用しようとするものであり、本レポートでは私がお聞きした活動のうち2つを紹介する。


●99にともしびプロジェクト

北海道は農業が盛んであり、函館においてもまた農作物は豊富に収穫されている。北海道の豊かな作物に着目したグループのメンバーは貸しテナントにて函館で収穫された野菜を用いたスイーツを販売している。本プロジェクトでは地物の野菜をスイーツに用いることで特産物の地産地消、引いては函館周辺農業の経済的活性化を図り、函館市民への地物野菜の魅力発信を狙っている。

●蔵レモネードプロジェクト

本プロジェクトは小学生を対象とした、レモネードのアレンジから販売しお金を稼ぐまでの体験型イベントを実施しており、これからの函館を担っていく小学生に函館で実際に商品の開発、販売までを経験してもらうことで、途中トライ&エラーを繰り返しながら成長し、函館での挑戦をネガティブではなくポジティブに捉えてもらうことを目的としている。本プロジェクトはこれまでに多くの子供たちが参加し、度重なる商品開発を経て、様々なイベントにて出店してきた。


本研修での学び

本研修では主に地域創生に向けて我々学生が何をすべきか、何ができるかについて学んだ。人口減少、若年層減少等の問題は函館市だけでなく私が住んでいる長崎市などの地方都市でも同様なことが言える。地方が抱える問題に対して、地方自治体や企業などが打開策を講じるまで待つのではなく、我々学生が果敢に解決しようと努力することが重要であることが分った。今後は本研修でお聞きした様なプロジェクトが長崎でも行われているかどうか細かく調べ、積極的に参加していこうと思う。

Last modified: Wednesday, 2 October 2024, 1:23 PM