8月29日に北海道大学函館キャンパスにて、コンブの加工、流通、産地品質について株式会社丸善納谷商店の納谷さんのお話を聞かせていただきました。

はじめにコンブの食べ比べをしました。都こんぶ、おぼろ昆布、とろろ昆布、つくだ煮、松前漬けを食べ比べました。おぼろ昆布ととろろ昆布は削り方が異なるため、触感にも大きな差がありました。松前漬けは私にとってなじみのない料理でしたが、イカとの相性が良く食べやすいと感じました。


次に6種類のコンブの出汁の飲み比べを行いました。その中で特徴的な味を感じたのは日高昆布でした。どのコンブとも違い、磯の香りがとても強い出汁でした。すべての出汁を飲み終えた後、鰹節とコンブの出汁を飲みました。最後に試飲した鰹節とコンブはグルタミン酸とイノシン酸によるうまみの相乗効果により、とてもおいしく感じました。


コンブの海外展開についてのお話も伺うことができました。日本人が日本の魅力だと思うものは必ずしも海外の人が魅力と感じるわけではないという話が一番印象的でした。テレビ番組などのメディアでは海外の人は和食に興味があるというように思える放送があるため、和食レストランを開いたり、和食の材用を売ったりすれば儲かると考える人が多いかもしれません。納谷さんの話によると海外では和食はそれほど有名ではなく、人気な文化だとしてもオーガニック食材であることが何よりも優先されるそうです。私はオーガニックと聞いて正直何がオーガニックといえるのか分かっていませんでした。オーガニックとは培養液などを使わない環境に悪影響を及ぼさないものなどをさすようです。日本では海外と同じようなオーガニックの認証がありませんでしたが、農林水産省で日本でも認証できるようにし、海外へのオーガニックでの展開を進めているそうです。

もう一つ海外に関わる話題で産地品質がありました。日本よりもコンブを多く生産している国や日本よりも先にオーガニックのコンブとして売り出している国がありますが、果たしてそれらは日本のコンブよりも良いのか実際に見て考えました。海外のオーガニック商品として売り出されている昆布は形や厚みがそろっておらず、色も良いとは言い難いように見えました。海外では見た目よりもオーガニックであることがどれだけ重要視されているのか実感することができました。

コンブの生産の課題については生産者の減少や高水温により抜け落ちることから生産量が減少しているとの話がありました。現在漁師の70パーセントを50~70代の方々が占めているそうです。

今回は納谷さんのお話からコンブについて多方向から考えることができました。また、他の参加者の皆さんの質問や意見から学ぶこともあり、大変有意義な時間を過ごすことができました。長崎で生活する私にとってコンブの生産は遠いような話にも思えますが、コンブ以外にも当てはめて考えることができそうなものもたくさんあり、これから学んでいくうえで今回得たものを生かしていきたいです。このような貴重な機会をいただきありがとうございました。

Terakhir diubah: Rabu, 18 September 2024, 09:31