629日に北海道函館市を訪れ、「コンブの収穫・乾燥作業等、浜における出荷前作業研修」に参加し、鹿部町のコンブ養殖を見学させていただきました。私は長崎県では行われていないコンブ養殖を実際に見て、北海道の水産業について知りたいという思いを持って参加しました。


実習内容

1 水揚げとコンブの洗浄

前日に収穫されたコンブを水揚げする作業を見学し、ナイフを使ってコンブをロープから1枚1枚切り離す作業をしました。その作業で初めてコンブに触れましたが根本が太く、なによりも大きさに圧倒されました。次に機械を通してコンブを洗浄し、束ねてトラックに積む作業をしました。機械を通したコンブは水に浸しながら根元に洗濯ばさみをつけて束ね、泡を落とすために一度水に沈めてトラックに積む作業は、3メートル程あるコンブを運ぶ大変さを味わいました。その次に、コンブを切り離したロープを再び使うために、ロープの付着物を取って綺麗にする作業を行いました。ナイフの角度が悪いとロープが痛んだり、なかなか付着物が取れなかったりするので、コツを教えていただきながら作業をしました。ロープを長めに持って足で抑え、ねじるように動かしながらナイフで付着物を落とすと、姿勢が少し楽になり、作業のスピードも上がったように感じました。黙々と作業を進めていましたが、ずっと日に照らさていたので汗が止まりませんでした。



2 乾燥小屋での作業

乾燥小屋に移動してトラックに積んだコンブを降ろし、乾燥棚にかける作業をしました。乾燥棚にコンブをかける際に、次のコンブをかけやすくするために奥の方にコンブの先が向くようにかける作業は一番苦戦しました。トラックから降ろしたコンブをブルーシートの上で伸ばし、それから棚にかける作業は腰を曲げてコンブを持ち上げる作業は体を使うハードでした。



3 養殖場の見学

最後に船に乗って養殖場まで連れて行っていただき、見学しました。ロープにつけられた浮きが遠くまでたくさん浮いているのを見て、養殖場の大きさを感じました。そしてもう一つの船で漁師さんが船から身を乗り出し、クレーンを使って船の上に水揚げするところを間近で見させていただきました。収穫後の船は、コンブでいっぱいになっていました。収穫後の作業でコンブの大きさと重さを体感していたので、海から引き上げるのはより一層大変そうに見えました。



今回の研修で学んだこと

今回の研修ではコンブ養殖を間近で見て、働く方々の話を聞きながら、コンブ養殖の課題について知る貴重な機会になりました。そのうちの1つは海水温の上昇によりコンブにクラゲの仲間などが付着してしまうために収穫時期を1か月早めており、十分に育てて水揚げすることができていないことです。作業中にも実際にコンブに白く丸いものがついているものをいくつか目にしました。そのほかにも、研修を通してコンブ養殖の収穫後作業の大変さも実際に体験して学ぶことができました。しかし課題だけではなく、立派なコンブを収穫する感動や作業する方々の姿を見て、コンブ養殖の良さを知ることもできました。


最後に

今回作業研修に加えて事前に動画配信という形で講義を受けさせていただき、初めてコンブについて学ぶ機会となりました。普段は乾燥されたコンブばかり目にしていましたが、生のコンブは輝いて見えてとても魅力的でした。初めての北海道・函館であったため、研修の翌日に朝市に訪れてみると、昆布やカニ、メロンなどが並んでおり、長崎との違いがよく分かりました。私はまだ研究をしていませんが、今後も長崎大学で学んでいく中で今回学んだ課題について考え、また機会があれば北海道にいってコンブについてもっと深く学びたいです。また、北海道大学の先生方、コンブの養殖場の皆様、交流していただいた北海道の学生の方々には貴重な機会をいただいた上に大変親切な対応をしていただき、心より感謝いたします。



最終更新日時: 2024年 07月 18日(木曜日) 10:33