炭酸カルシウム粒子の形成による二酸化炭素放出の一般的な説明

炭酸カルシムの殻形成と二酸化炭素放出の教科書的な説明

　生物が炭酸カルシウム殻を形成するときは、Ca²⁺イオンと海水中に豊富にあるHCO₃^-イオンを取り込むことが知られていて、以下の生体内反応が考えられます。

 

            2HCO₃^- + Ca²⁺ ⇆ CaCO₃ + H₂CO₃ 　　（ ⇆ CaCO₃ + CO₂ + H₂O ）

 

　この反応式によれば、海水中のHCO₃^- 二つとCa²⁺一つから、CaCO₃ とCO₂ が一つずつ生成されます。CaCO₃生成にともないCO₂が大気へ放出されうるのです。つまり、0.1 mmolのCaCO₃が形成されれば、0.1 mmolのCO₂が大気へ放出されます。

　より正確に大気へ放出されるCO₂量を見積もるには、先に説明した通りで、0.1 mmolのCaCO₃が形成されれば、0.08 mmolのCO₂が大気へ放出されます。さらに正確に見積もるなら（発展編）、海水中のホウ酸とpH変化も考慮すべきです。