炭酸カルシムの殻形成と二酸化炭素放出の教科書的な説明

 生物が炭酸カルシウム殻を形成するときは、Ca2+イオンと海水中に豊富にあるHCO3-イオンを取り込むことが知られていて、以下の生体内反応が考えられます。

 

            2HCO3- + Ca2+ CaCO3 + H2CO3   ( ⇆ CaCO3 + CO2 + H2O

 

 この反応式によれば、海水中のHCO3- 二つとCa2+一つから、CaCO3 CO2 が一つずつ生成されます。CaCO3生成にともないCO2が大気へ放出されうるのです。つまり、0.1 mmolCaCO3が形成されれば、0.1 mmolCO2が大気へ放出されます。

 より正確に大気へ放出されるCO2量を見積もるには、先に説明した通りで、0.1 mmolCaCO3が形成されれば、0.08 mmolCO2が大気へ放出されます。さらに正確に見積もるなら(発展編)、海水中のホウ酸とpH変化も考慮すべきです


最終更新日時: 2020年 05月 22日(金曜日) 10:29