海洋学の立場としては、海洋に隔離される二酸化炭素の量は如何ほどか、という問いに答えなくてはなりません。さらに、人間が排出した二酸化炭素がどれだけ深層に隔離されているのかを知りたくなります。しかし、二酸化炭素には発生源を識別するような色がついているわけではないので、海洋深層に隔離された二酸化炭素のうち、人間由来の割合を知ろうとするのはかなり難しいことなのです。本授業では、人間由来の色はつけないで二酸化炭素の分布を理解することにします。(人間由来の二酸化炭素の行き先をイメージして図示するに留めます)

 海水中の全炭酸(二酸化炭素と解離平衡にある炭酸成分)の濃度の鉛直分布を以下に示します。人間由来の色も、他の色も、何も付けていません。この鉛直分布をみると、表面付近で濃度が低く、表面から水深1000mまでに濃度が急上昇し、深層に向かって高い濃度で一定になっています。これが、全海洋の二酸化炭素の平均的な濃度分布です。まずは、この形をよく覚えておきましょう。そして、なぜ、このようになるか、少し考えてみてください。3つほど、要因が挙げられます。


Murnane et al., Global Biogeochemical cycles, 13(2), 287-305, (1999)の炭素輸送モデルで使った観測値のデータを図にしました。世界中の海で観測した結果の平均です。



সর্বশেষ পরিবর্তন: বুধবার, 13 মে 2020, 3:24 AM