大陸の成長が始まったのは30億年前からで、現在に至るまで徐々に成長してきました。最近の研究によると(沢田ら, 2018)、30億年前には大陸面積が地表面積の30%くらいに達したという説もあります。大陸が成長するときには、海洋底の炭酸カルシウムが大陸地殻に取り込まれます。

 玄武岩質の大陸地殻が地表面に露出すると、風化の作用が急速に高まり、海洋へのCa2+の供給が増えます。膨大な量の二酸化炭素を海洋が吸収し、石灰岩として堆積し、大陸の成長とともに大陸地殻に隔離される仕組みができたのです。こうして、大気中二酸化炭素の濃度が減少したと考えられます。


(玄武岩など火成岩の風化と気候変動の参考文献:顕生代のグローバル気候変動と風化作用, 柏木, 地学雑誌, (2017)、大気中二酸化炭素分圧の変化については、地球表層環境の進化, 川幡, 東京大学出版会, (2011)の図2.3から読み取りました。各報告により、その見積もり値には大きな幅を持つので、おおまかな傾向を捉える程度と理解してください)

最終更新日時: 2022年 10月 21日(金曜日) 05:51