山村先生インタビュー
内容文字起こし
私は魚や鰭脚類の生態を研究しています。
魚に関しては捕食―被食関係や環境の変動が魚の生態や捕食―被食関係、資源動態(魚の量が減ったり増えたりすること)にどのように影響するのかということを調べています。今回の航海の行先の北部ベーリング海、チュクチ海というところは、他の先生方も仰っているとおり、近年氷が後退するタイミングが早く、水温が高くなっています。この傾向は最近5年くらいで顕著になっていて、それが生態系全体にどう影響しているのかに興味を持っています。具体的には、水温が上がってきたことによって、亜寒帯域と呼ばれるベーリング海南東部にいたような、北海道周辺にいるのと似たような、スケトウダラやマダラが北の方に上がってきているのです。北極生態系に亜寒帯生態系の魚がいわば侵入している状況が起こっています。亜寒帯系の魚が北極海でどのようにふるまっているのかということを調べようと思っています。具体的には、どんな魚がどのくらいいて、もともと北極にいる魚を餌にしているようなことがないかを調べます。
最終更新日時: 2023年 11月 9日(木曜日) 18:44