主にグリーンランドでの使用を考慮しつつ,調べた結果を載せていきたいと考えています。(大谷)

  • 航空機によるドローンの持ち運びについて

ドローンを航空機で運ぶ場合,そのバッテリーの扱いに関しては注意が必要。
航空会社ごとに,持ち運べるサイズ,方法等の指定があるため,事前にバッテリーのタイプ,容量を把握したうえで,利用する航空会社のルールに従う必要がある。また,実際に持ち運ぶ際には,バッテリーをひとつずつ梱包するなど,絶縁処理が必要となる。

・JALの規定:100Wh以下は機内持ち込みならOK,100~160Wh:2個まで機内持ち込みOK
・Air Greenlandの規定:「リチウム電池は、1個あたり100wh以下のものであれば、手荷物としてお持ちいただくことが可能です。

100whを超える電池を持ち込む場合は、エア・グリーンランドから許可を得る必要があります。最大2個まで持ち込むことができ、1個あたり160whを超えるものは持ち込むことができません。また、バッテリーを使用する機器をバッテリーと一緒にお持ちいただく必要があります。」

また,グリーンランドで使用予定のドローンのバッテリー容量は,

※空中ドローン:DJI Air2S は一個あたり40.42 Wh
※水中ドローン:FifishV6は内蔵バッテリーで97.2Wh

である,

以上のことから

・空中ドローンの取り外し可能なバッテリーは機内持ち込み

・水中ドローンの内蔵バッテリーは手荷物として預ける

ということで持ち運びが可能と考えられる。

  • グリーンランドでの空中ドローンの飛行について

※2023年7月時点での情報です,実際の使用に際しては今一度ご自分で情報を得ることをお勧めします。
 グリーンランドで空中ドローンを飛ばす場合,日本での飛行とは異なるルールが適用されるため,注意が必要である。また,その内容については,グリーンランド(とフェロー諸島)では,デンマーク領でありながら,EUの協力対象外であることから,デンマークとは異なっている。とはいえ,デンマークでの飛行に比べるとルールはシンプルであり,以下にその内容を示す。ドローンを飛行させる場合,大きく分けると
 ・プライベート飛行 
 ・商業用飛行
の二種類に分けることができるが,それぞれの場合において異なるルールに従う必要がある。しかし,結論からいうと,商業飛行の場合には許可申請を行うことでドローンの重量や飛行区域に関する規制を免除できる場合がある,というだけである。
 まず,プライベート飛行におけるルールである。プライベート飛行ではドローンの重量は7kG以下でなければならず,そのうえで以下のルールが適用される。

・公共飛行場の滑走路までの距離は少なくとも 5 km でなければならない

・軍用航空基地の滑走路までの距離は少なくとも 8 km でなければならない

・市街地および主要な公道までの距離は少なくとも 150 メートル必要

・飛行高度は地上 100 メートルを超えてはならない

・建物が密集している場所や、大勢の人が野外に集まっている場所は、上空を飛行させてはならない

・ドローンは常にオペレーターの視界内に留まらなければならない

・グリーンランドの3 つの特に敏感な自然リゾート(グリーンランド国立公園、メルビル湾、およびカンゲルルススアークの南西にあるアングヤルトルフィアップ ヌナア) では上空を飛行させてはならない

GLドローン飛行規制区域

図 網掛け部分が,自然保護区域のためドローン飛行が規制されているエリア

(小さくて見えないが,イルリサットにも規制区域がある)

ということが定められている。

 続いて,商業ドローン飛行についてであるが,基本的にプライベートドローンの飛行に適用されるルールの範囲内であれば,飛行申請等は必要ない。ただし,都市部を飛行する場合や,7 Kgを超えるドローンなど,基本的なレギュレーションの範囲外の飛行を行う場合には,当局に申請書を提出し,規制免除を受ける必要がある。

(※今回の使用では特に規制区域での飛行を考えていないため,詳細は省く)

 さらに、大統領令第 4 条 4 項には,ホッキョクグマの保護に関する2018 年 9 月 14 日の第 3 条に、「ホッキョクグマの撮影や追跡にドローンを使用することは禁止されています」と記載されています。

参考:20230723参照
https://www.droneregler.dk/droneflyvning-i-groenland-og-faeroeerne/droneflyvning-i-groenland-og-faeroeerne

カナック空港から5km



DJIではドローンの飛行制限とその内容を反映させた地図を公開しており,グリーンランドのカナック周辺においても,空港周辺の制限区域についての記載があった.なお,デンマーク航空法による制限は反映されていない模様であり,注意が必要である.

グリーンランドカナック周辺のドローン飛行制限区域


  • 海外へドローンを持ち出す・持ち帰る場合の注意点

 日本から海外へ海外製品を持ち出し,持ち帰ってくる場合には,出国前に「外国製品の持出届」という書類を税関に確認し,入国時に提出する必要があります。これは一般には時計やネックレス等の高級装飾品について該当となるケースが多いですが,空中・水中ドローンは高価なうえに海外製品であるため,注意が必要です。海外市場価格で20万円以下であれば輸入消費税は免税となるため,マージンをとって15万円以上の機材を持ち出す場合には手続きをしたほうが無難なようです。なお、一点につき20万円でなく、合計でなので、外国製の高級品が複数ある場合は、それほど高額でなくてもすべてにつき「外国製品の持ち出し届」を提出するほうが良いです。

参考:日本税関HP「外国製品を持ち出す場合の手続き」 (参照日時20230706)
https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/keitaibetsuso/7201_jr.htm

最終更新日時: 2023年 07月 23日(日曜日) 18:22