CLAW仮説の提唱とその終焉

 CLAW仮説とは、温暖化により海洋基礎生産の増大、DMS放出増加、雲粒増加、寒冷化に向かう、という気候調節機能を地球が兼ね備えていることを述べたものです。これを提唱した論文の著者の頭文字をとって、CLAW仮説とよびます。CLAW仮説が提唱されてから、これを検証するため、海洋大気や微生物、気候影響に関する研究が飛躍的に進歩しました。その後、CLAW論文の筆頭著者(Charlson)の弟子二人がネイチャーに論文(Quinn&Bates, 2011)を発表し、個々のプロセスは観測事実から認められるが、上図で示した、温暖化→・・・→冷却化 という、一連の気候調節機能は一切認められなかった、と結論付けました。



Quinn and Bates, Nature, 2011 の論文表紙と、要旨の一部です。


この論文の謝辞にて、~"coming both to praise and bury Caesar = "~ 日本語意訳:わたしたち(Quinn & Bates)は、これまでシーザーの如く君臨してきたCLAW仮説を葬り去るために本レビュー論文を執筆した。と、シェークスピア(ジュリアス・シーザー)の一節を引用しているのが興味深く、感慨深いところです。そして、「CLAW仮説を利用するのは終わりになるけれど、その功績はずっと永く続くものである」、と説明を加えて締めくくっています。


以下、Nature論文の謝辞を紹介します。





Diperbaharui kali terakhir: Jumaat, 29 Mei 2020, 1:45 PM