ところで、先の例では、初期の14C個数を2.61×1011にしました。この個数だと、ちょうど1秒間で1個の14C原子がβ崩壊します。大気中の炭素のうち、1.2×10-12(約1兆分の1)の割合だけ14Cが存在することがわかっています。つまり、大気中炭素(12C , 13C, 14Cの合計)が2.61×1011/(1.2×10-12)個(=2.175×1023個)あると、そのうち1個の14Cが1秒間でβ崩壊します。この総炭素個数(2.175×1023個)は、炭素原子0.36モルです。これは、空気20 m3に含まれる二酸化炭素(400ppm)の量に相当します。教室を10m×10m×3mとすれば、その教室の空気中では1秒間に15回のβ崩壊が起こっています。炭素の塊である人体では、一人(体重75kgくらい)あたり1秒間で約4000回ものβ崩壊が起こっています。意外と身近な現象なのです。

Diperbaharui kali terakhir: Sabtu, 2 Mei 2020, 8:17 AM