密度躍層での粒子の停滞(説)
植物プランクトンは、表層水中をフワフワ浮いているのだから、粒子密度は海水の密度に近いです。ここで、半径200 μm、密度1.027 g/cm3の植物プランクトン群体が表層混合層内にあったとします。この群体粒子は沈降速度が10 m/dayと小さいので、表層での鉛直対流が十分あれば混合層内に留まることができるでしょう。さらに多くの仲間と手をつないで群体が半径300 μmまで大きくなると、沈降速度は23 m/dayになります。水の鉛直対流の具合にもよりますが(※)、場合によっては、この群体は混合層下部を通り越して、下層の密度躍層へ落ちてしまうかもしれません。下の絵に、密度躍層を越えられない粒子の行方を表しました。
混合層より下の密度躍層では鉛直対流がほとんどないので、その群体は再浮上することなく沈降してゆきます。元々の粒子密度1.027 g/cm3を保っていても、水深300mでは海水密度が26.5σに上昇するから、密度差が小さくなり沈降速度は5.6 m/dayまで落ちます。さらに、水深380mでは海水密度が26.7σになるから、沈降速度は0.0 m/dayになります。したがって、植物プランクトン群体の沈降粒子は、300m以深の密度躍層に留まって分解されてしまいます。(注:粒子密度やサイズ、海水密度に依存するので、計算の一例に過ぎません)
これが、溶存酸素の極小層が形成される要因の一つと考えられています(後の章で説明)。
সর্বশেষ পরিবর্তন: বুধবার, 15 এপ্রিল 2020, 5:48 PM