井上博士は漁具漁法、漁場、水産生物の生態の研究には、海中における直接観察が不可欠と考え、昭和26年(1951年)に潜水探査機「くろしお」を完成させました。くろしお号に搭乗した井上博士と鈴木昇博士が静寂な海底に雪のように降る懸濁物質の神秘さから、これを「マリンスノー」と呼び、今日海洋学における正式な呼称として使われています。(水産学部HPより引用)

 このように、マリンスノーの存在は古くから知られていましたが、その正体は全く不明でした。マリンスノーがあると思われる海水を採取して、船上の実験室でその水を観察しても、マリンスノーは全く見えないからです。

 私(大木)も真っ暗闇の海中を照らして、海中カメラで撮影すると、「透明な粒子に光が当たって白く見える」ということがわかりました。カメラレンズの近くを照らすと、近傍しか見えません。遠くを照らすと、遠く(遠くといっても数メートル先)が見えます。透明に近い粒子が沢山あって、それが光に照らされていると思うのです。

 そんな様子の動画が、北極海陸棚域のチャクチ海で撮影できました。次のページでご覧ください。



 


最終更新日時: 2020年 05月 27日(水曜日) 17:43