コロイド科学の立場では、

 水中に分散する、金属元素の酸化物の超微粒子(数nm)はコロイド粒子です。

 水中で溶けているように見える、高分子有機物の水溶性タンパク質もコロイド粒子です。


前者は、いかにも粒子ですよね。

後者は、有機物分子の大きさが数 nm と(高分子とは言っても)ずいぶん小さい上に、水溶性のため水分子と馴染んでいます。水中の疎水性粒子のように、凝集成長などしません。それでも、コロイド科学からすると、後者は親水性の分子コロイド粒子です。

コロイド科学では、およそ1 nm以下のイオンや分子(半透膜を通過する物質)を、粒子ではない(※)、としています。

※ 下に説明するように、(粒子ではない)=(溶存物質) ではありません!


では、溶存とは何でしょうか。

溶存とは、固体や気体が溶媒に溶解して、存在するものです。

溶解とは、溶媒に固体や気体を入れて、それが何らかな形(イオン、分子、固体のまま)で溶媒に長時間均質な状態を保つことです。

牛乳などのコロイドも、長時間均質な状態を保つので、コロイド溶液です。親水性コロイド粒子は水に溶解します。


したがって、物理化学や工学においては、水中にある物質を、粒子と溶存で二分しないのです。

そこが、海洋学など水環境分野における、粒子と溶存物質の区分けの考え方の違いになります。



Terakhir diubah: Selasa, 5 Mei 2020, 09:13