大西洋の高塩分化、太平洋の低塩分化(復習)
大西洋の熱帯域で蒸発した水蒸気は貿易風に乗って、その一部は中米の低い山を越え太平洋にもたらされます。いっぽう、太平洋~インド洋の熱帯で発生した水蒸気は東アジア・モンスーンの雨により太平洋に戻る。水蒸気の一部は偏西風に乗って北米西岸に達しますが、ロッキー山脈に遮られ雨になり、結局、太平洋に戻されます。
この結果、大西洋では高塩化、太平洋では低塩化が進みます。亜寒帯域で比べても大西洋の方が高塩分です。北大西洋亜寒帯の塩分は約34~36‰あるのに対して、北太平洋亜寒帯の塩分は32~34‰です(上図を参照)。
‰(パーミル)は千分率なので、1キログラムの海水に、大西洋では塩が34.5g、太平洋では32.5g含まれるのに相当します。僅か2gの違いなのですがが、この違いが海洋大循環を駆動する密度差を生みます。
(塩2gって、どれくらいでしょうか。親指と人差し指で軽く4回つまみとるくらいです)
最後修改: 2021年 03月 26日(週五) 08:32