極域海洋における物質循環研究
北方生物圏フィールド科学センター・生態系変動解析分野・野村研究室の紹介です
北方生物圏フィールド科学センター・生態系変動解析分野・野村研究室の紹介です
この下に研究の詳細があります
冬になると道端の水たまりや池の水が凍るように、とても寒い場所では広大な海の表面が凍ります。海が氷で覆われ、辺り一面が真っ白となり、幻想的な世界が広がります。氷の存在は、地球規模の熱や物質の輸送に影響するため、気候変動に深く関わっています。私たちの研究グループは、南極、北極、オホーツク海等の凍る海を対象とし、氷上での現場観測を実施し、凍る海が二酸化炭素などの温室効果ガスの吸収や放出、栄養塩や炭素などの物質循環に注目した研究を実施しております。
海氷域は日本から遠く、また寒いため観測ができない時が多くあります。そのため、特定の現象に着目した室内実験を実施することがあります。上図は、低温室で海水を凍らせ、生成した海氷上の二酸化炭素濃度(CO2)を連続的に測定し、低温室温度の違いや海水の塩分などの違いが、海氷から大気のCO2放出にどのような影響を与えるのか調べた結果です。
実際の海氷の上には雪が積もっています。海氷域での気体交換は、海氷内に存在するブライン・チャネルを通して海氷と大気の間で気体交換がおきます(左図)が、積雪の存在により交換効率が減少することが分かりつつあります。上図は、積雪の厚さや性質(密度)によって海氷と大気の間の気体交換効率が変化する様子を示したものです。