Topic outline
教科書
本講義は「海はめぐる 人と生命を支える海の科学」日本海洋学会編・ISBN978-4-8052-0834-2
海水はめぐる・熱もめぐる
海水はめぐる・熱もめぐるでは、亜熱帯循環の形成メカニズムを理解することを主要な目的として講義を実施します。
亜熱帯循環は、北太平洋では日本〜米国にまたがる巨大な時計回り渦で、偏西風と貿易風によって駆動されています。その駆動に際しては、コリオリ力(地球の自転によって生じる見かけの力)が重要な役割を果たしています。また、亜熱帯循環は、西側(黒潮)によって低緯度の高温水を中緯度に、東側で中緯度の低温水を低緯度に輸送することによって、太陽放射によって海洋が得る熱を再配分しています。
これらのメカニズムに関しては、数式を用いずに図と言葉で説明し、受講生の皆さんに現象の本質を理解してもらうことを目標としています。
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観測船はめぐる・船もめぐる
北海道大学は「おしょろ丸」「うしお丸」2隻の練習船を持っています。この講義では実際の『海洋観測』と船の『安全』を考慮した船体構造等を「おしょろ丸」を通して学びます。
リモートセンシング(衛星や航空機による観測技術)が発達した現在は現場(海)に出なくても様々な情報を得る(観測する)ことができるようになってきました。それでは危険な海に時間(と費用)をかけていく必要は本当になくなるのでしょうか?
海は地球環境を知るためのフィールドだけではなく、実際に生活の場であり、世界を繋ぐ交易路ともなり、そして、国家間を隔てる国境ともなります。そこで活躍する船は様々な形態(特色)があり、それぞれどのような特徴を持ち、どのような構造(性能)を持っているのでしょうか?
電磁波はめぐる
「電磁波はめぐる」では,電磁波や音波を使った海洋観測について学びます.
電磁波も音波も同じ「波」であり,空間を伝播する特性があるため,対象物に接触することなく遠隔的に情報を得ることができます.
これらを利用することで得られる情報や,長所と短所を理解することを目指します.