トピックアウトライン

  • 養殖水槽のシミュレーション

  • 養殖水槽のシミュレーション × SDGs

  • 養殖生産について

    現在、養殖による生産量は大きく増加しています。

    最近では、世界的にみると、漁船漁業による生産量を上回りました。

    当研究室では、養殖の生産効率化を目的として、シミュレーション研究を行っています。

  • 養殖水槽の流場シミュレーション

    完全養殖では、種苗生産(孵化から仔魚期まで)における死亡率が最も高く、大量生産のネックになっています。

    仔魚期では、遊泳力が低いことから、水槽内の流れに影響を受けやすく、沈降死(水槽底面にぶつかり、傷がついて斃死する現象)が発生しやすいことで知られています。

    沈降死を防ぐためには、水槽内の流場を、急激な下降流が発生しないよう設定してあげる必要があります。

    私たちの研究室では、水槽内の飼育環境を改善するために流体シミュレーション(CFD解析)と可視化実験(PIV実験)を用いて、養殖水槽内の流れの可視化に取り組んでいます。

    エアレーションによる流場

    図1 エアレーションによって発生する水槽内の流場


    PIV

    図2 エアレーションによって発生する流場を対象とした可視化実験の様子


  • 給餌シミュレーション

    餌のコストは養殖生産において大きく、これを効率的に行うことで、コストを抑制することが期待できます。

    現在、魚群行動モデル(Boidモデル、別項参照)と成長モデルを連成して、魚の給餌行動とそれによる成長量のシミュレーションを試みています。

    ここでは、以下の2種類(A:広範囲給餌、B:狭い範囲での給餌)で成長の違いについて、シミュレーションで比較しました。

    給餌範囲

    図3 シミュレーションにおける給餌範囲

      

     

    動画1 給餌条件Aのシミュレーション

     

     

    動画2 給餌条件Bのシミュレーション


    最終的な成長結果を以下に示します。広範囲で給餌(給餌条件A)の方がバラツキが少なくなりました。

    今後は、このシミュレーションを活用することで、最も収益が高くなる給餌方法を明らかにしていく予定です。


    給餌結果

    図4 90日後の飼育結果


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     海洋資源科学科 SDGs2