物質循環研究とは(炭素循環を例に)
物質循環研究で一番注目されているのは、炭素循環でしょう。大気中の二酸化炭素が温室効果をもたらして、地表面付近の気温を高く保つからです。地球の炭素循環の歴史は、気候変動の歴史でもあります。下の絵は、現在の地球表層の炭素循環を表しています。何処に、どれだけ炭素が貯留していて、何処へ、どれくらいの速度で移動しているのか、を表しています。地殻に眠っていた化石の炭素が大気中へ二酸化炭素として放出され、その一部が海洋に吸収され、生物に利用され、再び大気へ戻る。このような循環を物質循環といいます。
炭素以外でも、全ての元素について、物質循環が考えられます。窒素循環、リン循環、硫黄循環、、、、その中に、ヨウ素循環があります。物質循環研究で、横綱級を炭素循環とすれば、窒素やリン、硫黄が大関級でしょう。ヨウ素循環は、関脇か小結くらいに位置します(私の独断な意見)。
なぜ、横綱を相手にしないかって? それは、ライバルが多すぎるからです。二酸化炭素濃度のモニタリングなんて、気象庁や環境省など、国レベルでやられています。それなら、ライバルは少なくて、その物質循環の挙動が複雑かつ謎が多い物質を選びました。それが、ヨウ素なのです。(これも、私の独断の意見)