【カリウム40とルビジウム87】
天然放射性核種として、カリウム40(40K)とルビジウム87 (87Rb)について説明します。
これら二つの核種とも、ウランと同じように地球誕生当初から存在しています。
カリウム40(40K)
カリウム40(40K)は安定のカリウム39 (39K)とともに海水に溶け込んでいます。
カリウム全体としてのカリウム40 (40K)の割合は1.2%なので、放射性核種としてはかなりの量です。これは地球上のどこでも、安定カリウムに対して常に一定の割合で存在しています。したがって、私たち人間にもカリウム40 (40K)は結構含まれていて、ベクレルで示すと、60kgの成人で換算すると数千ベクレル含まれています。
もちろん、海水中にもかなりの量の40Kが含まれていて、12ベクレル(Bq)/リットル です、セシウム137(137Cs)が0.001~0.002ベクレル/リットルなので、その1000倍にもなるベクレル濃度です。
カリウムは、海水の塩類の一つなので、塩分分布と一致した動きをしています。
ルビジウム87(87Rb)
ルビジウム(Rb)は原子番号37のアルカリ金属元素のひとつです。天然に存在するルビジウムは天然存在比が72.2%の安定のルビジウム85(85Rb)と、27.8%で存在するルビジウム87(87Rb)の2種類があります。87Rbは、半減期が492億年と恐ろしく半減期の長い放射性核種ですが、海水には0.11ベクレル(Bq)/リットルと、ウラン238(238U)と同じようなベクレル濃度を持っていて、カリウム40同様、海水中の塩分と同じ動きをしています。