スナゴチ
Sunagocia arenicola (Schultz, 1966)
沖縄県を含む西部太平洋とインド洋の熱帯〜亜熱帯域に分布するコチ科魚類で,岩礁域や珊瑚礁域近くの砂地に生息する。本種は唇に皮弁を持たない,眼下骨の隆起線に4本以上の棘を持つ,虹彩皮膜は短くて分枝するなどの特徴により,他のコチ科魚類と容易に識別できる。本種は従来は
Thysanophrys(クロシマゴチ属)に含められていたが,コチ科魚類の系統類縁関係が推定され,本種は近縁種とともに独自の分岐群を形成することが判明したため,本種に基づいて新属
Eurycephalusが設立された(
Imamura, 1996)。
Eurycephalusは昆虫の属に先取されていたため,後に置換名として
Sunagocia(スナゴチ属)が設立された(
Imamura, 2003)。
なお,
目次のスナゴチのカラー図はこのスケッチに彩色を施したものである。