一般的には種が分類の基本単位であり,種の集まりとして属,属の集まりとして科,科の集まりとして目というように,グループが階層的に位置づけられる。分類学ではこれらの階層の名称を分類階級(taxonomic rank)と呼んでいる。必要によって,属と科の間に族(tribe),亜科(subfamily),科と目の間に上科(superfamily)や亜目(suborder)のように中間的な分類階級を設けることもある。たとえばヒラメの場合は,カレイ目(Pleuronectiformes)カレイ亜目(Pleuronectoidei)カレイ上科(Pleuronectoidea)ヒラメ科(Paralichthyidae)ヒラメ属(Paralichthys)ヒラメ(Paralichthys olivaceus)となる。このようなカレイ目やヒラメ属などの具体的な生物のグループのことを分類群(taxonomic group)と呼ぶ。目や属などの分類階級名とカレイ目やヒラメ属などの分類群名の関係は,都道府県,市,区,町などの区分名と,北海道,函館市,港町などの実際の地域名の関係に例えるとわかりやすいかもしれない。