General
下と同じ内容です。
下と同じ内容です。
ピペットは、少量の液体を定量吸い取る容量器具です。
ダイヤルを調整して任意の容量を吸い取る道具がピペッターです。とても便利で、正確に吸い取ることができます。
ただし、「必ず守ること」、「やってはいけないこと」を順守してください。計量に失敗するだけでなく、高価なピペッターを破損させてしまいます。
下の絵のように、ピストンを押し込んだ状態から、ピストンを開放すると、ピペット先端のチップから液体を吸い取ります。再びピストンを押し込めば、液体を輩出することができます。
★ ピストンを開放した状態が「Top」です。
★ ピストンを「1st stop」まで押し込んだ状態(下絵の左1番目)が、「一定容量を吸い取る準備が完了」の状態にあります。
★ 液体を吸い取りながら、ピストンをTopまで上げた状態(下絵の左2番目)が、「一定容量を吸い取り終えた」状態です。
★ ピストンを「1st stop」まで押し込んだ状態(下絵の左3番目)が、「大部分、排出した」状態です。
★ ピストンを「2nd stop」まで押し込んだ状態(下絵の左4番目)が、「最後のワンプッシュで全て排出した」状態です。
★ ピストンを開放して、元の状態に戻りました。
これに尽きます。いろいろな場面で、液体を本体まで吸い上げてしまうので、その注意点を記します。
ゆっくり吸い上げて、ゆっくり吐出して、指を添えながらゆっくり開放する。
これを必ず守ってください。
これを守らないと、ほぼ、確実に液体を本体に吸い上げて、ピペットを故障させます。
これを守れない人は、ピペットは触らないでください。実験不向きな人です。
なぜ、どのような場面で、「ゆっくり吸い上げ、ゆっくり吐出、指を添えてゆっくり開放」が必須なのかを以下(①~)に説明します。
① 勢いよく吸い上げると、その勢いで本体に液体が入ってしまうことがあります。
② 粘性の高い濃硫酸など、ピペットで吸い上げても、液面の上昇が遅いです。ピペット内部が減圧になっているのに、ピペット先端を液面から出すと空気を勢いよく吸い込むことがあります。空気を吸い込んだ勢いで、液体が本体に入ることがあります。
★ あたりまえですが、ピペットで液体を吸い取れば、容器内の液面は下がります。液面ギリギリにピペットの先端があれば、液面が下がることで空気を吸い込んでしまいます。それで、本体に液体が入ってしまいます。ピペット先端が液面下にあることを確認してください。
★ 液面が見えない容器もあります。それでも、確実に空気を吸い込まないようにしてください。
③ ゆっくり吐出の理由: 急いで吐出した場合、ピペットチップの内壁に液体が残っているのに吐出完了してしまいます。吐出完了のあとに、内壁を伝って液体がチップの先端にたまります。そのうえ、ピペットのピストンを開放してしまえば、空気とともに液体をピペット本体に入れてしまいます。ゆっくり吐出して、内壁から伝って下にたまるのが終わってから、最後のワンプッシュ(2nd stopまで)しましょう。ピペットチップは、しっかり目視して確認すること。
指を添えてゆっくり開放の理由: 仮に、吐出完了のあとに、チップの先端に液体がたまっても、指を添えてゆっくり開放していれば、大丈夫なことが多いです。
※最後、ピペットのレバーを押したり、離したり、シュポシュポするの絶対NG。即退場。
「ゆっくり」ルール以外に、もう一つ大事なルールがあります。
使用前のピペットなら上を向けても大丈夫ですが、使用中や使用後のピペット(チップ)を上に向けないでください。液体が残っていたら、本体に液体が入ります。
ピペット先端を上に向けない習慣を付けましょう。
片手にピペットを持った状態で、ボトルの蓋を開けるなどの操作をするとき、
慣れないと、ピペット先端を上に向けてしまいます(右絵の上)。右絵の下のように、ピペット先端を下に向けたまま操作をしましょう。