ゆっくり吸い上げて、ゆっくり吐出して、指を添えながらゆっくり開放する。
これを必ず守ってください。
これを守らないと、ほぼ、確実に液体を本体に吸い上げて、ピペットを故障させます。
これを守れない人は、ピペットは触らないでください。実験不向きな人です。
なぜ、どのような場面で、「ゆっくり吸い上げ、ゆっくり吐出、指を添えてゆっくり開放」が必須なのかを以下(①~)に説明します。
① 勢いよく吸い上げると、その勢いで本体に液体が入ってしまうことがあります。
② 粘性の高い濃硫酸など、ピペットで吸い上げても、液面の上昇が遅いです。ピペット内部が減圧になっているのに、ピペット先端を液面から出すと空気を勢いよく吸い込むことがあります。空気を吸い込んだ勢いで、液体が本体に入ることがあります。
★ あたりまえですが、ピペットで液体を吸い取れば、容器内の液面は下がります。液面ギリギリにピペットの先端があれば、液面が下がることで空気を吸い込んでしまいます。それで、本体に液体が入ってしまいます。ピペット先端が液面下にあることを確認してください。
★ 液面が見えない容器もあります。それでも、確実に空気を吸い込まないようにしてください。
③ ゆっくり吐出の理由: 急いで吐出した場合、ピペットチップの内壁に液体が残っているのに吐出完了してしまいます。吐出完了のあとに、内壁を伝って液体がチップの先端にたまります。そのうえ、ピペットのピストンを開放してしまえば、空気とともに液体をピペット本体に入れてしまいます。ゆっくり吐出して、内壁から伝って下にたまるのが終わってから、最後のワンプッシュ(2nd stopまで)しましょう。ピペットチップは、しっかり目視して確認すること。
指を添えてゆっくり開放の理由: 仮に、吐出完了のあとに、チップの先端に液体がたまっても、指を添えてゆっくり開放していれば、大丈夫なことが多いです。
※最後、ピペットのレバーを押したり、離したり、シュポシュポするの絶対NG。即退場。