單元大綱

    •  先のコース(有効数字を含む計算~簡易版~)では、有効数字より下の桁に含まれる誤差(±0.5や±0.05)が演算により、どれだけ伝搬するかを簡易的に求めたものです。分析化学の容量器具によっては、容量誤差が±0.1とか、±0.02とかマチマチです。累乗や対数計算を含む場合、どのようにしたらよいのでしょうか?


       演算で伝搬される誤差を、より正確に計算するには、以下の公式を使います。

      誤差σ1~σn 含む数値( x1~ xn )の演算により伝搬される誤差(σ):


       σ = 


      ルートの中の■は、x3以下も同様に、(    )2 が入ることを意味します。




    • なんだか、よくわかりませんよね。

      具体例をみれば、わかります。


      例題1) 二つの数値の足し算での誤差(σ)の伝搬を正式ルールで求めてください。


      数値x1は±σ1の誤差を持ちます。

      数値x2は±σ2の誤差を持ちます。

      数値x1とx2を足したときの誤差はどのようになるでしょうか?


      つまり、以下の式を計算したときの数値(x1 + x2)が持つ誤差「±σ」を求めたいのです。

      (x1 ± σ1) + (x2 ± σ2) = (x1 + x)± σ


      f = x1 + x2 として、

      正式ルール:σ =   に代入します。n=1とn=2 のところだけ使います。


      σ = ±  =  ± 


      引き算でも同じです。




    • 例題2) 誤差をもつ数値x1とx2の引き算してください





      例題3)誤差をもつ二つの数値x1とx2をかけてください



      (ルートの中は、各自計算して確認して下しさい)



      誤差をもつ二つの数値x1とx2について、それぞれの数値の最大値(x1 + σ1、x2 + σ2)と最小値(x1 - σ1、x2 - σ2)を求めます。

      最小値同士をかければ計算結果は最小になります。最大値同士をかければ計算結果は最大になります。その最小と最大が誤差を含めた計算結果になります。

       




    • 例題4) 誤差を含む数値の割り算をしてください