応用問題:
以下の測定により、海水中の粒子に含まれる炭素成分の含量(%:炭素量(g)/粒子乾燥重量(g))と海水中濃度(mol(C)/L)を有効数字を考慮して計算しなさい。
海水1.00L (有効数字の桁数3桁)をメスフラスコで量り採り、その水をガラス繊維フィルターでろ過して、ろ紙上に残った物(残渣物)の乾重量を測定しました。つづいて、酸素雰囲気内で白金触媒により高温でフィルターを燃焼して、炭素成分を全て二酸化炭素にしました。その二酸化炭素濃度を測定して、フィルター上の粒子状物質に含まれる炭素量に換算します。
ガラス繊維フィルターの乾燥重量(使用前) :w1 = 1.0014 g
海水をろ過して乾燥させた後のフィルター乾燥重量 :w2 = 1.0021 g
(w1とw2の有効数字の桁数は6桁)
フィルターを高温で燃焼してCO2を発生させ、燃焼空気中のCO2濃度を測定
燃焼空気中(燃焼前)のCO2モル分率 :x1 = 1 ppm
(有効数字の桁数1桁)
燃焼空気中(燃焼後)のCO2モル分率 :x2 = 21040
ppm
(有効数字の桁数5桁)
燃焼空気のモル数 :y = 0.013 mol
(有効数字の桁数2桁)
(補足.燃焼セルに送る空気(燃焼空気)のモル数はマスフローコントローラーで調節可能)
計算式
フィルター上粒子の乾燥重量(g) :A = w2 – w1
燃焼空気中のCO2モル分率の差分 :B = x2
– x1 (ppm)
燃焼したCO2のモル数 :C = y×(x2 – x1)×10-6
燃焼したCO2の重量(g) :D = y×(x2 – x1)×10-6/FWCO2,
FWCO2はCO2の式量(44.01)で定数とする
乾燥粒子に含まれる炭素含量(%) :E = D/A×102 (%)
海水中粒子の炭素濃度
(mol(C)/L) :
F = C/1.00
EとFを有効数字に注意して計算する。
A = 1.0021 – 1.0014
B = 21040 – 1
C = 0.013×B×10-6
D = 0.013×B×10-6/44.01
E = 0.013×B×10-6/44.01/A
×102 (%)
F = 0.013×B×10-6/1.00
まず、加減算を計算する
A = 1.0021 – 1.0014 =
0.0007 (g)
(有効数字の桁数1桁)
B = 210400 – 1 =
21039 (ppm)
(有効数字の桁数5桁)
(AとBに使われる値の有効桁の最小の位は、小数点4位と1の位で、其々一致している。そのまま計算すればよい)
E = 0.013×21039×10-6/44.01/0.0007×102 =
(0.887807965....)
有効数字桁数:2桁, 5桁, 1桁
※定数44.01については、有効数字を考慮しない
有効数字の桁数の最も小さなもの:1桁
(有効数字の最下位より、一桁低いところの数値0.88780..の8を四捨五入
乾燥粒子に含まれる炭素含量(E):0.9 (%) (有効数字の桁数1桁)
F = 0.013×21039×10-6/1.00 =
(273.057×10-6) = 0.000273057)
有効数字桁数:2桁, 5桁, 3桁
有効数字の桁数の最も小さなもの2桁
海水中粒子の炭素濃度(F):2.7×10-4 (mol(C)/L) (有効数字の桁数2桁)
(もしくは、0.27 (mmol(C)/L)
/////////////////////////////////////////////////////////////////