物質A, B, X, Yが混在する系において、平衡状態ではないことも当然あります。
一般的(平衡とは限らず)に、原形や生成形にある物質のギブズエネルギーの合計は、
(標準状態で物質を合成するのに必要なエネルギー:標準生成ギブズエネルギー)+(物質を標準状態から任意の状態や濃度に変えるエネルギー)
で表されます。
物質を標準状態から任意の状態や濃度に変えるエネルギー= RT・ln(活量積) となります。
(式導出は、あとのコースで扱います)
ΣG原形 = ΣGf原形 + RT・ln(原形の活量積)
ΣG生成形 = ΣGf生成形 + RT・ln(生成形の活量積)
原形と生成形を構成する物質のギブズエネルギーの合計差(⊿∑G生成形-原形 )は、
⊿∑G生成形-原形 = ΣG生成形 - ΣG原形
= ( ΣGf生成形 + RT・ln(生成形の活量積)) - ( ΣGf原形 + RT・ln(原形の活量積))
= ΣGf生成形 - ΣGf原形 + RT・ln(【生成形の活量積】/【原形の活量積】)
= ⊿∑Gf0 + RT・ln(【生成形の活量積】/【原形の活量積】)
(⊿∑Gf0 :生成形と原形に存在する物質の標準生成ギブズエネルギーの差)
で与えられます。注1: ここで記している、【生成形の活量積】や【原形の活量積】は、平衡状態とは限らないときの任意の活量の積を意味します。
注2: 活量は馴染みが薄いので、とりあえず、「活量」=「濃度」 として進めてください。
平衡状態にあるときは
⊿∑G生成形-原形 = 0
のときでした。つまり、
⊿∑Gf0 = -RT・ln(【生成形の活量積】/【原形の活量積】)
を満たすときです。
平衡状態ではないとき、
⊿∑G生成形-原形 < 0 であれば、反応は、【原形】→ 【生成形】に進む。
⊿∑G生成形-原形
> 0 であれば、反応は、【生成形】→ 【原形】に進む