酸化還元反応の半反応式の作り方(酸素呼吸の例)
先コースで呼吸反応の前後のエネルギー差を求めて、生物が得られるエネルギーを求めました。呼吸反応の反応式で記したのは、酸化還元反応の全反応です。呼吸反応のような酸化還元反応は、電子を受け取る物質の半反応、電子を与える半反応、2つの半反応の組み合わせで成り立ちます。
酸化還元反応の全反応を半反応に分けるやり方を覚えてください。一般的な化学教科書で詳しく説明されているので、そちらでジックリ学ぶのをお勧めします。いろいろ、やり方が示されていますが、以下に一つのやり方を記しておきます。
ホルムアルデヒド(CH2O)を酸素(O2)で酸化して、二酸化炭素(CO2)と水(H2O)ができる全反応(酸化還元反応)を二つの半反応に分けます。下の図と合わせて、手順を理解してください。
① 全反応の各元素の酸化数を書き出す。Hは+1価、化合物中のOは-2価、O2分子のOは0価とする。酸化数が変わる元素はCとOであるから、CとOそれぞれについて半反応式をつくる。
②Cを含む物質変化と電子の移動量、Oを含む物質変化と電子の移動量を記す。
③Oの収支を合わせる。Hの収支を合わせる。水分子が十分にあることを想定して、H2O、H+、OH-を加える。
④個別の半反応式では、どちら方向にも進み得るので、両辺をイコールで結ぶ。電子を左辺に配置する。
先コースで呼吸反応の前後のエネルギー差を求めて、生物が得られるエネルギーを求めました。呼吸反応の反応式で記したのは、酸化還元反応の全反応です。呼吸反応のような酸化還元反応は、電子を受け取る物質の半反応、電子を与える半反応、2つの半反応の組み合わせで成り立ちます。
酸化還元反応の全反応を半反応に分けるやり方を覚えてください。一般的な化学教科書で詳しく説明されているので、そちらでジックリ学ぶのをお勧めします。いろいろ、やり方が示されていますが、以下に一つのやり方を記しておきます。
ホルムアルデヒド(CH2O)を酸素(O2)で酸化して、二酸化炭素(CO2)と水(H2O)ができる全反応(酸化還元反応)を二つの半反応に分けます。下の図と合わせて、手順を理解してください。
① 全反応の各元素の酸化数を書き出す。Hは+1価、化合物中のOは-2価、O2分子のOは0価とする。酸化数が変わる元素はCとOであるから、CとOそれぞれについて半反応式をつくる。
②Cを含む物質変化と電子の移動量、Oを含む物質変化と電子の移動量を記す。
③Oの収支を合わせる。Hの収支を合わせる。水分子が十分にあることを想定して、H2O、H+、OH-を加える。
④個別の半反応式では、どちら方向にも進み得るので、両辺をイコールで結ぶ。電子を左辺に配置する。
半反応式の作り方(硝酸呼吸の例)
硝酸呼吸(硝酸還元)の半反応式を作ります。酸素呼吸の半反応にて、有機物(ホルムアルデヒド)が酸化される半反応式は共通なので、以下では硝酸還元の半反応式だけを導きます。
硝酸が還元されて、窒素分子(N2)になる半反応です。
① NO3-が還元されてN2になる半反応式を求めたい。それを→で結ぶ。
② 両辺のN量を合せる
③ O, Hの収支を合わせる。まず、Oをあわせるため、右辺に6H2Oをおく。
④ つぎに、Hを合わせるため、左辺に12H+をおく。
⑤ 電子の移動量を調べるため、Nの酸化数を記す。NO3-のNの酸化数をxとおいて求める。N2のN酸化数ゼロから、2NO3-のN酸化数+5に変化するので、電子の移動量は2(5e-)である。
⑥ 移動する電子量(10e-)を加える。左辺と右辺の電荷バランスをチェックする。両辺ともに0なのでOKである。(仮に10e-を右辺におくと、左辺の電荷が+10、右辺が-10になり、バランスしないので誤りであることがわかる)e-が左辺にくるように、両辺入れ替えてイコールで結ぶ。(上のケースでは、元々左辺にe-が配置されているので、入れ替え無し)
半反応式の作り方(有機物酸化(CH2O → HCO3- )の例)
水中のホルムアルデヒド(CH2O)が酸化されて、炭酸水素イオン(HCO3-)が発生する半反応式を作ります。先の例では、二酸化炭素(CO2)が発生する式を作りましたが、水中で二酸化炭素は即座に炭酸水素イオンに変わるので、こちらの半反応が生体内で起こっているかもしれません。
① CH2Oが酸化されてHCO3-になる半反応式を求めたい。それを→で結ぶ。
② 両辺のC量を合せる(元々、C量はあっている)
③ O, Hの収支を合わせる。まず、Oをあわせるため、左辺に2H2Oをおく。
④ つぎに、Hを合わせるため、右辺に5H+をおく。
⑤ 電子の移動量を調べるため、Cの酸化数を記す。CH2OのSの酸化数をxとおく(0 = x +2 -2)。HCO3-のC酸化数をyとおく(-1 = 1+y-6)。CH2OのCの酸化数0から、HCO3-の酸化数+4に変化するので、電子の移動量は4e-である。
⑥ 移動する電子量(4e-)を加える。左辺と右辺の電荷バランスをチェックする。両辺ともに0なのでOKである。(仮に4e-を左辺におくと、左辺の電荷が-4、右辺が+4になり、バランスしないので誤りであることがわかる)e-が左辺にくるように、両辺入れ替えてイコールで結ぶ。(上のケースでは、右辺にe-が配置されているので、入左辺と右辺を入れ替えてください)