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厚岸臨海実験所の紹介です
厚岸臨海実験所の紹介です
1931年(昭和6年)、寒流系生物を主とするわが国唯一の亜寒帯臨海実験所として厚岸町に設立された。1949年(昭和24年)、隣接の旧軍用地と自然林野を加えて、総面積約40万平方メートルとなり、海産生物のみならず、鳥獣その他自然生物全般の研究の場としても活用され、より総合的な海洋生物研究教育施設としての整備が進められた。2001年(平成13年)4月に、北海道大学の農学部の附属施設であった7つの演習林、農場、牧場、植物園、水産学部の附属施設であった臼尻水産実験所、洞爺湖臨湖実験所、七飯養魚実習施設、理学部の附属施設であった室蘭海藻研究施設と共に統合され、北海道大学の学内共同教育研究施設である「北方生物圏フィールド科学センター」を形成し、本「厚岸臨海実験所」は、室蘭臨海実験所、臼尻水産実験所、洞爺臨湖実験所、七飯淡水実験所と共に、その中の「水圏ステーション」に所属することとなった。また、敷地内には愛冠自然史博物館を併設し、毎年5月より10月まで一般に無料で公開している。
厚岸臨海実験所は、厚岸道立自然公園の中に位置し、恵まれた自然を生かした海洋生態学の研究・教育を行っている。理学部学生の臨海実習をはじめ、全国の大学生を対象とした公開臨海実習や、他大学の実習も毎年行われているほか、国内外のいろいろな分野の研究者が研究に利用している。教員2名、技術職員2名が常駐し、厚岸湾・厚岸湖の生物多様性と生態系の変動、海草や海藻をめぐる動植物の種間相互作用、陸上生態系と沿岸生態系の相互作用などに関する研究を行っている。また、野外調査やリモートセンシングなどを統合的に利用した広域かつ長期にわたる観測により、近年その進行が心配される地球温暖化に伴う海洋生態系の変化について、その予測と評価に取り組んでいる。