河川プルームと沿岸密度流の研究事例:河川プルームの衛星画像を示す。北緯64度の画像(左上)では、風が岸を左に見て吹いており、プルームもその方向に流されている。プルームがコリオリ力により右向きに流される様子は確認できない。衛星画像の左下と右上は、沖に向かう風、もしくは岸を右に見る風向きのときで、そのようなときに、プルームが岸に寄せられ沿岸密度流として流れる様子が確認できる。このように、河川プルームは風の影響も強くうけることがわかる。

Osadchiev, A.; Alfimenkov, I.; Rogozhin, V. Influence of the Coriolis Force on Spreading of River Plumes. Remote Sens. 2023, 15, 3397. https://doi.org/10.3390/rs15133397
河川プルームが1 km以上沖に流れてから、ようやくコリオリ力の効果が表れてくる。中・大規模河川で見られる現象である。しかし、小規模な河川でも、河口からすぐに右手に向きを変え、岸を右に見た沿岸流として流れる様子が確認される。これは、元々沿岸密度流があるところに河川水が流入して、その密度流(地衡流)を強化させていると解釈できる。
河川由来以外にも、岸を右に見て流れる沿岸密度流がある。日本で最も顕著な沿岸密度流が、北海道東部太平洋沿岸を南下する“沿岸親潮”である。オホーツク海の海氷融解により著しく低塩分化した水が太平洋に流出すると、沿岸密度流を形成して北海道東部に沿って南下する。沿岸親潮については、日本周辺の表層海流の章でも触れる。