Topic outline
(1) 準備するもの
① ガスバーナー
② パスツールピペット
③ 先折れピンセット
④ グラスウール
⑤ アンプルカッター
⑥ 手術針たて
⑦ インジェクション針ケース
⑧ ドラモント毛細管
⑨ ドラモント毛細管ピペット
⑩ マニキュア
⑪ マイクロピペット作製機
⑫ マイクロフォージ
⑬ マイクログラインダー
(2) ガスバーナー
① ガスバーナーは、赤色のノブを回転させ、ガスを出した後、ノブを押して点火する。
② 消化の際は、ノブを逆側に回転させて消化する。
③ 使わない時は消しておくこと。ガスバーナーの先端を詰まらせないこと。
(3) ピペット
① パスツールピペットの適宜の太さの部分をアンプルカッターのくぼみに要れピペットを回転させる。
② ピペットにクラックが入っていることを確認する
③ クラックの両側を左右の手で別々にもち、引っ張るように折る。
ピペットの先端部分をガスバーナーであぶる。あぶりすぎると先端が閉じ、少ないと卵や胚がひっかかって壊れる。
(4) 手術針
① パスツールピペットの細い部分の先端から2/3程のところをガスバーナーで暖め、左右に曳いて引き延ばす。
② 引き延ばしたガラス管の中程で折る。
③ パスツールの太い部分がついている方の先端を溶かして先折れピンセットでつまみ、さらにガラス部分を溶かす。
④ 溶かしたガラス部分を斜めに引き延ばす。
⑤ 引き延ばされたガラス管を曲がった部分から1cmくらいのところで折る。
⑥ 先端の部分にマニキュアを塗り、さらにグラスウールを貼付ける。
⑦ 乾燥するまで、手術針立に立てておく。
(5) 操作針
① 手術針を作るようにパスツールピペットを左右に曳いてのばす。
② 引き延ばしたガラス管の中程で折る。③ 折った部分をガスバーナーで暖め、先端を滑らかにする。
④ 細い方も、先端部分をガスバーナーで暖め先端を滑らかにする。
(6) 顕微注入用針
① 10本のドラモントガラス毛細管の両端をガスバーナーであぶって、切り口を滑らかにする。あぶりすぎて、口が塞がらないようにすること。
② ガラス毛細管をマイクロピペット作製機にセットし、ヒーターのスイッチを入れて引き延ばす。
③ 上下両方のガラス針の先端を壊さないように取り外し、インジェクション針ケースに入れる。10本の毛細管から20本の針を作る。
④ それぞれの針をマイクロフォージにセットする。
⑤ 顕微鏡を見ながらマニピュレーターを操作し、ガラス張りの先端がマイクロヒーターの中心に針が通り、ガラス枕の中に入るようにする。
⑥ 顕微鏡をみながら、マイクロヒーターに通電し、ガラス針の中程に狭窄部を作製する。注入用は、狭窄部があまり狭くならないようにする。
⑦ マイクロヒーターの電源を切り冷やしてからマニピュレータを動かして、針の先端をマイクロヒーターから抜く。
⑧ 狭窄部を作った顕微注入用針をケースに収める。
(7) 細胞移植用針
① マイクログラインダーのシリンジにDWを入れ、砥石の上に水を滴下する。
② マイクログラインダーのスイッチを入れ、砥石全体がDWで濡れるようにする。
③ 単純に伸ばした針をマイクログラインダーのホルダーにセットする。
④ ホルダーの角度を30度まで下げる。
⑤ マイクログラインダーのつまみを操作して、注射針をグラインダーの表面までおろす。
⑥ マイクログラインダーのレンズのつまみを操作してピペットに焦点を合わせる。
⑦ マイクログラインダーの針の粗動レバーを回転させ、ピペット先端を砥石の表面直前までおろす。
⑧ さらに微動レバーを回転させ針先端を砥石表面に付ける。
⑨ 微動レバーで針を下げ、先端を研ぎ始める。
⑩ 先端の口が約10μm空いたら、粗動レバーを回して針全体を上げ、針を外す。
⑪ 針をドラモント毛細管ピペットに装着する。
⑫ 先端を蒸留水につけ、蒸留水を出し入れして砥石の粉を洗い落とす。
⑬ 一度、針ケースに移して乾燥する。
⑭ 顕微注入用針と同様に、先端に狭窄部を作る。移植用は、狭窄部をできるだけ細くする。細すぎると詰まるので注意。
(8) アガロースシャーレ
① 300mlビーカーに150mlの淡水魚用リンゲルを入れ、スターラーの撹拌子を入れる。
② これに0.8〜1%の濃度になるように寒天(泳動用ではないAgar)を入れる。
③ サランラップでふたをしてからスターラーに乗せ、寒天粉を撹拌する。
④ 電子レンジに入れてリンゲルが突沸しないように温める。
⑤ 温まったらスターラーにのせ寒天粉を撹拌する。
⑥ ③−⑤を繰り返し、中の液を沸騰させないようにして寒天を溶かす。透明になってきたら、光にかざし寒天末が残っていないことを確認する。
⑦ 寒天末が完全に溶解したら、寒天液を少し冷やす。
⑧ この間に、ガラスシャーレを机(水平であることを水準器で確認する)の上に並べておく。
⑨ 寒天液をガラスシャーレに流し込む。胚操作用の場合は薄くても構わないが、写真撮影用は寒天の厚さを厚くする。
⑩ 寒天が固まったら蓋をし、ひっくり返して冷蔵庫に保管する。
(9) 培養液とアガロースシャーレ
① 淡水魚用リンゲル液:7.5g NaCl, 0.2g KCl, 0.4g CaCl2/1 ℓ DW
② 卵白:鶏卵より卵白をどんぶりにとり、メレンゲを作って冷蔵庫に保存。しばらく放置して、下部に溜まった卵白液を使用する。要事調整。
③ 一次培養液:1.6%の卵白を含む淡水魚用リンゲル液
④ 96穴培養皿用一次培養液:1.6%の卵白を含む淡水魚用リンゲル液に溶液の1/1000量の抗生物質を入れる(抗生物質溶液stock: ペニシリン、ストレプトマイシンをそれぞれ10%濃度にしてDWに溶解し、100-200μℓの分注をテストチューブに入れて凍らせておく)
⑤ 二次培養液:1.8 mM CaCl2、1.8 mM MgCl2 (180μℓの1M CaCl2、180μℓの1M MgCl2を100mlの蒸留水に入れる)
⑥ アガロースシャーレは既述