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    • プラスチックごみによる海洋汚染が世界中で進んでおり,2050 年には世界の海のプラスチックごみの量は魚よりも多くなると予想されています。特に,粒径が5 mm 以下の「マイクロプラスチック」は,あらゆる生物に取り込まれていることが報告されており,生態系への影響が懸念されています。海洋動物はマイクロプラスチックを海水中から直接取り込むだけでなく,マイクロプラスチックを体内にもつ小型の餌生物を食べることにより取り込むことも知られていますが,この2つの経路の相対的な重要性を調べた研究はこれまでありませんでした。また甲殻類などの一部の海洋生物は摂食・消化を通じてマイクロプラスチックを破砕するため,餌生物を通じて取り込まれたマイクロプラスチックは水中から直接取り込むものよりさらに小型になっていることが予想されます。
      そこで本研究では,肉食性魚類シモフリカジカ(Myoxocephalus brandti)とその餌生物である小型甲殻類イサザアミ類(Neomysis spp.)を用いて,(1)魚類のマイクロプラスチック摂取における餌生物を介した間接経路の重要性,(2)間接経路によるマイクロプラスチックの粒径の変化について検証しました(図1)。


    • 図1.実験に利用したシモフリカジカ(左)とイサザアミ類(右)。体長はシモフリカジカが8cm,アミが1 cm 程度。