セクションアウトライン


    • 組織工学では,幹細胞,3次元の細胞足場材料,サイトカインを組み合わせ,人工的な組織をつくります。たとえば,骨疾患の再生医療の場合,患者から採取された幹細胞に適切な3次元構造を持った足場(コラーゲン)と分化誘導因子を加えて幹細胞を増殖させ,そのあと骨芽細胞や軟骨細胞に分化させます。治療に必要な大きさに人工骨組織が成長したら,患者の疾患部位に移植します。


    • 私たちの研究室では,チョウザメのコラーゲンを組織工学用の細胞足場材料に応用する研究を進めています。


    • 魚コラーゲンの人工足場は多くの利点

      • 線維形成能が高く材料合成に適する

      • 線維化した材料は細胞との親和性が高い

       → 幹細胞が足場によく接着する,移植後は周りの組織と融合しやすい

      • 人獣共通感染症の心配がない

       (ヨーロッパでは、全て魚コラーゲンに切り替え済み)