用語集
Adenylate kinase(アデニレートキナーゼ):アデニル酸キナーゼ、ADPの再利用に作用する酵素
BLAST(ブラスト):Basic Local Alignment Search Tool、相同性検索を行うプログラム
pI(ピーアイ):等電点
陰イオン交換クロマトグラフィー:タンパク質を電荷の違いによって分離する手法
カルボキシル基:COOH基、カルボン酸の官能基
担体(たんたい):他の物質を固定する土台となる物質
等電点(とうでんてん):電荷が0になるときのpH
グルタミン酸:アミノ酸の1種
リジン:アミノ酸の1種
字幕
1
00:00:05,605 --> 00:00:10,643
一番下に「BLAST」というのが出ていますので
それをクリックします
2
00:00:10,643 --> 00:00:14,781
途中で 設定するところありますけれども
設定しなくてもいいです
3
00:00:14,781 --> 00:00:16,916
これは何をしているかというと
4
00:00:16,916 --> 00:00:20,954
入力したアミノ酸配列と
似たアミノ酸配列が
5
00:00:20,954 --> 00:00:25,725
データベースの中に
どれくらいあるかを 検索しています
6
00:00:25,725 --> 00:00:31,131
ただそのデータベースというのは
コイや魚に限定したものではなく
7
00:00:31,131 --> 00:00:35,635
あらゆる生物
あらゆるアミノ酸配列
8
00:00:35,635 --> 00:00:40,607
微生物も植物もヒトも
9
00:00:40,607 --> 00:00:45,11
全て含まれる
データベースの中から検索しています
10
00:00:45,11 --> 00:00:47,580
そういうものの中には
11
00:00:47,580 --> 00:00:52,819
もう既に この配列は
何のタンパク質か
12
00:00:52,819 --> 00:00:56,256
名前がはっきり 確定しているものが
たくさんあります
13
00:00:56,256 --> 00:00:59,25
しばらく待っていると
(次の)画面が表示されます
14
00:00:59,25 --> 00:01:04,597
下の方に
リストがあります
15
00:01:04,597 --> 00:01:06,666
(リストを)拡大してみると
16
00:01:06,666 --> 00:01:11,671
一番上は
ヒットしたタンパク質です
17
00:01:11,671 --> 00:01:16,176
Mascot searchでヒットした
仮定的タンパク質です
18
00:01:16,176 --> 00:01:19,979
名前がついていない タンパク質が
一番上に出てきます
19
00:01:19,979 --> 00:01:24,784
ヒットしたタンパク質も 含まれている
データベースなので当たり前です
20
00:01:24,784 --> 00:01:28,888
右の方に Identと
書いてある列が あります
21
00:01:28,888 --> 00:01:31,624
これは配列の同一率です
22
00:01:31,624 --> 00:01:35,528
100%というのは
完全に配列が一致しています
23
00:01:35,528 --> 00:01:41,468
(同一率)が高い順番に
並んでいます
24
00:01:41,468 --> 00:01:44,270
2つ目から下を見ていくと
25
00:01:44,270 --> 00:01:47,707
軒並み Adenylate kinase
ばかりに なっています
26
00:01:47,707 --> 00:01:53,179
というのを 確認することで
ヒットしたのが hypothetical protein でも
27
00:01:53,179 --> 00:01:56,516
これは Adenylate kinase
ということがわかります
28
00:01:56,516 --> 00:01:58,752
Adenylate kinase
だということは
29
00:01:58,752 --> 00:02:05,125
最初の Mascot search の
段階で
30
00:02:05,125 --> 00:02:06,92
わかっていたけれども
31
00:02:06,92 --> 00:02:11,898
BLAST検索を行って
確認するのがよいと思います
32
00:02:11,898 --> 00:02:15,869
リストのリンクをクリックして
33
00:02:15,869 --> 00:02:24,144
上の方に分子量と等電点を
計算したものが 表示されます
34
00:02:24,144 --> 00:02:28,381
この場合だと 21475
35
00:02:28,381 --> 00:02:32,352
細かな分子量の数字が
表示されています
36
00:02:32,352 --> 00:02:41,127
これは データベースでヒットした アミノ酸配列から
計算で 求めた分子量です
37
00:02:41,127 --> 00:02:44,664
SDS-PAGE で求めた
分子量もありますね
38
00:02:44,664 --> 00:02:55,108
SDS-PAGE の分子量マーカーの移動度と
分子量の対数値の関係をグラフにしました
39
00:02:56,576 --> 00:03:00,580
そして そのグラフ 検量線から
40
00:03:00,580 --> 00:03:08,521
PMFで試料とした タンパク質の
分子量を求めることを 課題としています
41
00:03:08,521 --> 00:03:14,627
求めた分子量と
ヒットしたタンパク質のアミノ酸配列から
42
00:03:14,627 --> 00:03:20,233
計算された分子量が
どのくらい一致しているか
43
00:03:20,233 --> 00:03:22,535
一致していないとすれば
それはどうしてなのか
44
00:03:22,535 --> 00:03:24,871
ということを
考察してください
45
00:03:24,871 --> 00:03:28,842
等電点 Calculated pI value
というのがあります
46
00:03:28,842 --> 00:03:32,412
pI というのは等電点です
47
00:03:32,412 --> 00:03:39,719
等電点というのは
タンパク質のみかけの荷電状態が0になる
48
00:03:39,719 --> 00:03:44,624
±0になる pHになります
49
00:03:44,624 --> 00:03:49,996
等電点が7より小さいタンパク質は
酸性タンパク質です
50
00:03:49,996 --> 00:03:53,33
酸性アミノ酸が相対的に多いです
51
00:03:53,66 --> 00:03:58,4
等電点が7より大きいタンパク質は
塩基性タンパク質です
52
00:03:58,4 --> 00:04:03,476
酸性アミノ酸が塩基性アミノ酸よりも
相対的に少ないというもので
53
00:04:03,476 --> 00:04:09,482
これも全部計算で
配列から求められます
54
00:04:09,482 --> 00:04:13,186
リジンが何個あるか
グルタミン酸が何個あるか
55
00:04:13,186 --> 00:04:19,125
カルボキシル基が合計何個あるから
計算で等電点がいくつになるか 求められます
56
00:04:19,125 --> 00:04:23,29
このようにして ヒットしたタンパク質について
57
00:04:23,29 --> 00:04:26,900
計算で求めた等電点があります
58
00:04:26,900 --> 00:04:31,404
等電点が6.64となっています
59
00:04:31,404 --> 00:04:39,512
6.64で7よりも小さいということは
弱い酸性のタンパク質です
60
00:04:39,512 --> 00:04:44,984
なので それを
陰イオン交換クロマトグラフィーにかけたら
61
00:04:44,984 --> 00:04:53,159
弱い酸性ですから
弱く担体と結合していたことが推測されます
62
00:04:53,159 --> 00:04:57,330
実際どうだったかというのを
考察してください
63
00:04:57,330 --> 00:05:03,370
等電点がすごく小さい
(例えば)4などに計算される場合は
64
00:05:03,370 --> 00:05:07,474
これよりももっと強く担体と
結合するので
65
00:05:07,474 --> 00:05:09,642
遅れて出てきます
66
00:05:09,642 --> 00:05:12,979
逆に等電点が7よりも
大きかった場合
67
00:05:12,979 --> 00:05:17,684
塩基性のタンパク質ですから
担体には結合しないで 素通りして出てきます
68
00:05:17,684 --> 00:05:21,654
最初の方のピークに
見られたはず ということになります
69
00:05:21,654 --> 00:05:27,193
それも 矛盾がないかどうか
検討して
70
00:05:27,193 --> 00:05:31,297
矛盾があるとしたらそれは
どうしてなのか ということを考察してください