用語集
log(ログ):対数、aを何乗したらbになるかを表す数
アクチン:アクチンフィラメントを形作るタンパク質
アクトミオシン:アクチンとミオシンの結合体
検量線(けんりょうせん):得られたデータと目的とする量との対応を規定するグラフ
対数値(たいすうち):aを何乗したらbになるかを表す値
トロポニン:トロポニンT、I、Cの複合体
トロポミオシン:アクチン結合タンパク質
分子量(ぶんしりょう):分子の相対的質量で単位はない、基準は原子量12の炭素原子
分子量マーカー(ぶんしりょうまーかー):分子量が既知のタンパク質で移動度と分子量の対応の基準
字幕
1
00:00:05,605 --> 00:00:08,541
前回はSDS-PAGEを行いました
2
00:00:08,541 --> 00:00:13,646
ゲルを染色・脱色をして
バンドが見えてきたことを確認しました
3
00:00:13,646 --> 00:00:18,918
それぞれ 一番左側に分子量マーカー
次に アクトミオシン
4
00:00:18,918 --> 00:00:25,258
次に筋形質画分と
クロマトグラフィーのピーク1・2・3です
5
00:00:25,258 --> 00:00:30,30
バンドの上の方にあるのは
分子量が大きく
6
00:00:30,30 --> 00:00:31,931
下の方にあるのは
分子量が小さいです
7
00:00:31,931 --> 00:00:36,369
バンドの濃さや
面積というのは
8
00:00:36,369 --> 00:00:41,541
そこに存在している
タンパク質の量に相関しています
9
00:00:42,308 --> 00:00:45,378
例えば この太くて濃いバンドですと
10
00:00:45,378 --> 00:00:47,480
このタンパク質は たくさんあり
11
00:00:48,448 --> 00:00:51,551
このように細くて薄いバンドは
12
00:00:51,551 --> 00:00:56,389
(タンパク質は)
あまりないということを表しています
13
00:00:56,389 --> 00:01:03,730
基本的には バンドの色が濃く 大きいほど
タンパク質が多いです
14
00:01:03,730 --> 00:01:09,135
使用した分子量マーカーは
最初から染色してあります
15
00:01:09,135 --> 00:01:11,671
このレーンを見てみると
16
00:01:11,671 --> 00:01:12,605
分子量マーカー
17
00:01:12,605 --> 00:01:14,140
これがアクトミオシン
18
00:01:15,342 --> 00:01:21,247
(これは)分子量がとても大きくて
たくさん量があるタンパク質です
19
00:01:22,415 --> 00:01:26,252
それから これは中くらいの
分子量のタンパク質です
20
00:01:26,252 --> 00:01:27,687
これも たくさんあります
21
00:01:28,488 --> 00:01:38,498
この辺りは (分子量が)3万や2万です
色々な種類のタンパク質が混じっているところです
22
00:01:38,865 --> 00:01:44,504
アクトミオシンを構成している
ミオシンや アクチンの他に
23
00:01:44,504 --> 00:01:46,506
以前に 説明した
24
00:01:46,506 --> 00:01:49,909
アクチンフィラメントの中では
アクチンだけではなく
25
00:01:49,909 --> 00:01:55,115
トロポミオシンやトロポニンなど
様々なものが 結合しています
26
00:01:55,115 --> 00:01:59,986
そういうタンパク質が全て
一つ一つのバンドになって 分離されている状態です
27
00:02:01,721 --> 00:02:04,190
また 筋形質画分ですが
28
00:02:04,190 --> 00:02:09,896
アクトミオシンとは
パターンが全然違うことが分かります
29
00:02:09,896 --> 00:02:16,69
(例えば)この2つは 分子量は近いですが
同じではないことが分かります
30
00:02:16,69 --> 00:02:23,176
これらは似ているようですが
多分違うタンパク質だということが分かります
31
00:02:23,176 --> 00:02:29,349
このフラクションを
カラムクロマトグラフィーにかけて
32
00:02:29,349 --> 00:02:32,619
出てきたのが
この3つになります
33
00:02:32,619 --> 00:02:37,424
2つのピークと プラスもう1か所を
とってもらったと思います
34
00:02:37,424 --> 00:02:44,764
カラムクロマトグラフィーをかける前に
存在していたバンドの この位置に
35
00:02:44,764 --> 00:02:47,100
ピークの後半の方で
36
00:02:47,967 --> 00:02:52,772
後から出てくる酸性タンパク質の方に
37
00:02:52,772 --> 00:02:59,12
この太いバンドのタンパク質が
溶出しているということが分かります
38
00:02:59,12 --> 00:03:00,780
これもそうですね
39
00:03:00,780 --> 00:03:05,719
最初に溶出してくるところには
含まれず
40
00:03:05,719 --> 00:03:10,23
後から溶出してくる
担体に結合した画分に
41
00:03:10,23 --> 00:03:13,760
このタンパク質が
含まれていることが分かります
42
00:03:13,760 --> 00:03:17,597
つまり このタンパク質は
酸性タンパク質です
43
00:03:18,932 --> 00:03:21,134
これも 酸性タンパク質です
44
00:03:21,134 --> 00:03:24,537
ここら辺に 4~5本バンドがありますが
45
00:03:24,537 --> 00:03:28,74
それらは 最初の方で出てきています
46
00:03:29,309 --> 00:03:32,145
つまり 担体にあまり結合しないタンパク質です
47
00:03:32,145 --> 00:03:34,280
塩基性のタンパク質とか
48
00:03:34,280 --> 00:03:40,20
酸性であったとしても
あまり- の荷電が大きくないです
49
00:03:40,20 --> 00:03:43,189
(この2つは)
似ていますが同じではないです
50
00:03:43,189 --> 00:03:47,527
例えば このタンパク質は
後には出ていますが先には出ていません
51
00:03:47,527 --> 00:03:53,133
こちらは逆に
後には出ておらず 先に出ています
52
00:03:53,133 --> 00:03:57,337
1つのピークの中の
前半にあるタンパク質
53
00:03:57,337 --> 00:04:00,440
後半に別のタンパク質
という風に
54
00:04:00,440 --> 00:04:02,742
溶出している ということが分かります
55
00:04:03,476 --> 00:04:08,348
まず 分子量の大小と
56
00:04:08,348 --> 00:04:12,752
バンドの移動距離というのは
関係があります
57
00:04:12,752 --> 00:04:15,889
この関係を表す
グラフを作ってみてください
58
00:04:15,889 --> 00:04:20,226
(分子量マーカー) について
分子量はこのように分かっています
59
00:04:20,226 --> 00:04:22,462
一番上にあるのが
210,000
60
00:04:22,462 --> 00:04:24,931
一番下にあるのが
10,000です
61
00:04:24,931 --> 00:04:27,267
この分子量マーカーについて
62
00:04:27,267 --> 00:04:31,771
濃縮ゲルが上に付いていても
分離ゲルとの境目が見えますので
63
00:04:31,771 --> 00:04:33,173
分離ゲルの上端
64
00:04:33,173 --> 00:04:40,480
ここから それぞれのマーカーの
バンドまでの長さを測ります
65
00:04:40,480 --> 00:04:43,283
どのように測るかというと
66
00:04:43,283 --> 00:04:52,58
例えば 画像を解析する時であれば
ピクセルを測ります
67
00:04:52,58 --> 00:04:58,264
それから プリントアウトして
定規で長さを測ってもいいです
68
00:04:58,264 --> 00:05:03,503
印刷したサイズによって
大きさが違っていても大丈夫です
69
00:05:03,503 --> 00:05:07,774
分離ゲルの上端から
それぞれのバンドの
70
00:05:07,774 --> 00:05:14,514
ぼやっとしているところの
真ん中までの距離を測ってください
71
00:05:14,514 --> 00:05:16,750
それを横軸にとります
72
00:05:16,750 --> 00:05:20,987
縦軸に「log(の底が)10」の分子量
73
00:05:20,987 --> 00:05:25,25
10を底とする分子量の対数値になります
74
00:05:25,558 --> 00:05:29,996
つまり logが5ということは
(分子量が 10の5乗の)10万になります
75
00:05:29,996 --> 00:05:33,333
(logが) 4というと
1万になります
76
00:05:33,333 --> 00:05:42,175
この値を縦軸にとってプロットを描くと
直線ができるはずです
77
00:05:42,175 --> 00:05:46,46
移動距離の短いところ
78
00:05:46,46 --> 00:05:48,314
ゲルの上の方です
79
00:05:48,314 --> 00:05:53,620
それから 移動距離の長いところ
ゲルの下の方ですね
80
00:05:53,620 --> 00:05:58,358
これは 直線から外れた状況になります
81
00:05:58,358 --> 00:06:00,994
それも含めて確認してください
82
00:06:01,628 --> 00:06:04,364
そういうグラフを作ってください
83
00:06:04,364 --> 00:06:11,738
さらに そのグラフは
分子量の検量線となります
84
00:06:11,871 --> 00:06:14,607
つまり 同じゲルについて
85
00:06:15,575 --> 00:06:18,511
一緒に泳動した
未知の試料
86
00:06:18,511 --> 00:06:21,81
例えば このタンパク質
87
00:06:21,81 --> 00:06:24,50
このタンパク質の
分子量はいくつなのか
88
00:06:24,50 --> 00:06:28,755
作ったグラフから
それを求めます
89
00:06:29,889 --> 00:06:32,926
どのバンドについて求めるかというと
90
00:06:33,259 --> 00:06:38,531
アクトミオシンの中から
バンドを1つ 選んでいただきます
91
00:06:38,565 --> 00:06:40,734
それから 筋形質画分
92
00:06:40,734 --> 00:06:44,70
その中から また1つ
バンドを選んでいただきます
93
00:06:44,70 --> 00:06:48,174
合計2つです
各班で2つ バンドを選びます
94
00:06:48,174 --> 00:06:53,46
そのバンドのタンパク質の
分子量を測定します
95
00:06:53,46 --> 00:06:55,949
例えば
このバンドを選んだとしたら
96
00:06:55,949 --> 00:07:01,721
このレーンの上端から
選んだバンドの真ん中までの距離を測ります
97
00:07:03,356 --> 00:07:05,558
そしてその距離を
横軸にとって
98
00:07:06,493 --> 00:07:11,31
縦軸の直線とクロスするところの
縦軸の値を読むと
99
00:07:11,31 --> 00:07:13,66
10の その値乗
100
00:07:13,66 --> 00:07:15,468
それが 分子量となります