用語集
APS(エーピーエス):過硫酸アンモニウム
BISアクリルアミド(ビスアクリルアミド):ポリアクリルアミドゲル作製の際の架橋剤
EDTA(イーディーティーエー):エチレンジアミン四酢酸
M(モーラー):mol/L
SDS(エスディーエス):ラウリル硫酸ナトリウム、陰イオン性界面活性剤の1種
TEMED(テメッド):テトラメチルエチレンジアミン、アクリルアミドをポリアクリルアミドゲルとする重合反応の開始剤
Tris(トリス):トリスヒドロキシメチルアミノメタン、緩衝剤の1種
アクリルアミド:アクリル酸を母体とするアミドの1種
グリシン:アミノ酸の1種
グリセロール:グリセリン、3価のアルコールの1種
重合反応:ポリマーを合成する化学反応
フリーラジカル:不対電子をもつ分子や原子
ポリマー:重合体
モノマー:単量体
字幕
1
00:00:05,638 --> 00:00:08,8
ポリアクリルアミドゲルは
2
00:00:08,8 --> 00:00:16,216
2枚のガラス板の隙間に
アクリルアミドモノマー液を流し込んで
3
00:00:16,216 --> 00:00:19,52
重合させて作成します
4
00:00:19,52 --> 00:00:28,695
サイドにスペーサーの貼ってあるガラス板と
何も付いていないガラス板を用意します
5
00:00:28,695 --> 00:00:34,167
そしてこれは シールガスケットです
シリコンゴムでできています
6
00:00:34,167 --> 00:00:38,371
この裏表に注意して
7
00:00:38,371 --> 00:00:45,812
スペーサーのあるガラス板の
サイドの部分をシールするように配置します
8
00:00:45,812 --> 00:00:55,822
シールガスケットが大きくゆがんだり
スペーサーの上に乗ったりしないように 注意してください
9
00:00:55,989 --> 00:01:04,631
次に スペーサーのないガラス板を
上にそっと重ねます
10
00:01:05,31 --> 00:01:07,567
この状態でまとめて手に取り
11
00:01:07,600 --> 00:01:13,73
スペーサーの上に
ガスケットが乗り上げていないかどうか
12
00:01:13,73 --> 00:01:20,246
また ガスケットが大きく歪んでいないかどうか
もう一度確認してください
13
00:01:20,980 --> 00:01:27,587
サイドをクリップで止めます
14
00:01:29,589 --> 00:01:36,363
このようにすると
ガラス板の隙間から モノマー液を注いでも
15
00:01:36,363 --> 00:01:39,933
モノマー液が外に漏れることはありません
16
00:01:41,234 --> 00:01:46,773
モノマー液をたくさん注いだあと
こちらの コーム(Comb)
17
00:01:47,240 --> 00:01:53,747
コームを差し込んでから
重合させます
18
00:01:53,747 --> 00:01:56,983
重合させたらコームを
引き抜きます
19
00:01:56,983 --> 00:02:04,791
するとゲルに 試料を入れるための
試料溝がたくさんできます
20
00:02:06,626 --> 00:02:14,34
始めにモノマー液を用意する前に
コームをさし込み
21
00:02:15,602 --> 00:02:24,611
コームの先端から1.5cm 下に
マジックで印をつけてください
22
00:02:25,912 --> 00:02:31,685
次に 氷で冷やしたナス型フラスコを用意して
23
00:02:31,685 --> 00:02:35,355
そこにモノマー液を調合します
24
00:02:35,355 --> 00:02:40,493
30% アクリルアミド
0.3% BISアクリルアミド
25
00:02:40,493 --> 00:02:44,698
0.5M Tris
1.5M グリシン
26
00:02:44,698 --> 00:02:50,570
50% グリセロール
1mM EDTA
27
00:02:51,371 --> 00:02:57,410
2.25% APS
(過硫酸アンモニウム)
28
00:02:57,410 --> 00:03:00,347
それから 純水です
29
00:03:00,347 --> 00:03:07,220
これらをナス型フラスコにとったら
一度 攪拌します
30
00:03:07,253 --> 00:03:14,461
そして 口の部分にガラス管を通した
ゴム栓をはめ込みます
31
00:03:14,461 --> 00:03:23,870
ガラス管から 水流アスピレーターなどの
真空ポンプで吸引 内部を減圧にし 脱気します
32
00:03:23,870 --> 00:03:30,76
脱気するのは 試薬や水に溶存している
酸素を除去するためです
33
00:03:30,76 --> 00:03:34,981
重合反応を酸素が妨害します
34
00:03:35,882 --> 00:03:45,892
ガラス管にホースをつないで
真空ポンプで2分間吸引します
35
00:03:45,959 --> 00:03:49,629
2分経過
36
00:03:49,629 --> 00:03:52,732
脱気したあと ホースを外すと
37
00:03:52,732 --> 00:03:57,470
ナス型フラスコの中に
空気が入りますけれども
38
00:03:57,470 --> 00:04:00,774
十分 脱気の効果があります
39
00:04:01,174 --> 00:04:08,915
(ここに) 10% のSDSと
重合反応を開始する TEMEDという試薬を加えます
40
00:04:08,915 --> 00:04:18,491
脱気のあとにSDSを加えるのは
先に加えると (試料が)泡立つからです
41
00:04:18,491 --> 00:04:21,294
TEMEDを加えると
42
00:04:21,294 --> 00:04:24,364
脱気前にナス型フラスコに入っていた
43
00:04:24,364 --> 00:04:27,701
過硫酸アンモニウムとTEMEDが反応して
44
00:04:27,701 --> 00:04:30,203
フリーラジカルが発生します
45
00:04:30,203 --> 00:04:36,910
そして アクリルアミドモノマーの
重合反応(連鎖重合)が開始されます
46
00:04:37,210 --> 00:04:40,647
なので TEMEDを加えてから
47
00:04:40,647 --> 00:04:45,985
迅速に モノマー液をガラス板の間に注ぎます
48
00:04:50,123 --> 00:04:55,362
(TEMEDを)加えたら ナス型フラスコを
揺すって攪拌します
49
00:04:55,362 --> 00:04:58,231
(ナス型フラスコを)
氷で冷やしているのは
50
00:04:58,231 --> 00:05:05,438
取り扱いが容易なように
重合反応の速度を 少し遅らせるためです
51
00:05:05,438 --> 00:05:13,913
モノマー液は
マジックで印をつけたところまで注ぎます
52
00:05:14,447 --> 00:05:18,918
そして その上に蒸留水を重ねて
53
00:05:18,918 --> 00:05:21,855
空気を遮断し 重合させます
54
00:05:23,823 --> 00:05:31,464
一気に注がずに
少量注いでは 左右に揺すります
55
00:05:31,965 --> 00:05:37,871
一カ所からだけでなく
左右や中央から少しずつ注ぎ
56
00:05:37,871 --> 00:05:40,407
水位を上げていきます
57
00:05:40,607 --> 00:05:44,10
マジックの印のところまで注いだら
58
00:05:44,44 --> 00:05:48,615
平らな机の上に立てます
59
00:05:48,982 --> 00:05:54,154
そして マイクロピペットで
少量の水を 1滴ずつ
60
00:05:55,989 --> 00:05:58,425
左右 中央付近
61
00:05:58,591 --> 00:06:02,929
何カ所かに分けて
静かに加えていきます
62
00:06:03,596 --> 00:06:11,37
こうすることで モノマー液の上に
水の層ができて
63
00:06:11,37 --> 00:06:12,972
空気を遮断します
64
00:06:12,972 --> 00:06:18,545
十分に空気が遮断されていないと
モノマーが 重合しません
65
00:06:18,545 --> 00:06:22,515
20分くらい置くと
重合が完了します
66
00:06:22,515 --> 00:06:27,787
水の下のモノマーが重合して
ゲルになっているのが分かります
67
00:06:28,755 --> 00:06:36,262
この水を キムワイプで吸い取って
取り除きます
68
00:06:40,500 --> 00:06:48,808
下のゲルの上に もう1種類
濃縮ゲルになるモノマー液を注ぎ
69
00:06:48,808 --> 00:06:56,816
コームをさして重合させたら
電気泳動のゲルが完成します
70
00:06:57,50 --> 00:07:03,189
モノマー液を調合するための
空のナス型フラスコを氷冷します
71
00:07:03,423 --> 00:07:08,328
そこに 8% アクリルアミド
0.2% BISアクリルアミド
72
00:07:08,328 --> 00:07:15,802
緩衝液として
0.5M Tris-HCl(pH6.8)
73
00:07:17,103 --> 00:07:23,910
それから 過硫酸アンモニウムと
水を 混合します
74
00:07:24,144 --> 00:07:30,383
(すべて混合したら)
先ほどと同様 ゴム栓をして減圧し 脱気します
75
00:07:30,383 --> 00:07:34,187
脱気のあとに SDSを加えます
76
00:07:34,187 --> 00:07:38,892
最後に TEMEDを加えると
重合反応が開始されます
77
00:07:39,359 --> 00:07:49,369
これ(調合したモノマー液)を 水を吸い取ったあとの
分離ゲルの上に重ねていきます
78
00:07:49,369 --> 00:07:54,541
まず 少量を注いで
79
00:07:56,943 --> 00:08:05,85
全体になじませてから
注ぎます
80
00:08:06,586 --> 00:08:14,694
ガラス板の切欠のふちの部分まで
たっぷり入れます
81
00:08:14,961 --> 00:08:24,504
そして 机の上に立てて
コームをさし込みます
82
00:08:25,171 --> 00:08:27,707
コームを差し込んだあと
83
00:08:27,707 --> 00:08:34,748
先端に気泡が付いていると
その部分は重合しませんので
84
00:08:34,748 --> 00:08:39,619
気泡があったら
(コームを)一度抜き 再度さして
85
00:08:39,619 --> 00:08:42,188
気泡を追い出します
86
00:08:42,222 --> 00:08:47,227
この状態で
また20分程度 放置します
87
00:08:47,227 --> 00:08:53,33
(20分後)
重合すると 傾けても流れださなくなります